2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K00725
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
小崎 恭弘 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (20530728)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 父親 / 育児支援 / 地方自治体 / 父親支援プログラム / 父親支援教育 / 全国調査 / インタヴュー調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は昨年度実施した全国の自治体調査をデータ化した上で、分析を行い口頭発表、論文として発表を行った。口頭発表としては、2015年度に実施した全国調査をまとめ分析を行い、その結果を2016年5月8~9日に開催された第69回日本保育学会(白梅学園大学)において「地方自治体における父親支援の現状~地方自治体全国調査より~」として発表を行った。またこれまでの研究の成果をまとめ以前の調査も参考として、2016年5月29日に開催された第68回日本家政学会(金城学院大学)において「父親の子育て共有と学びに関する意識」として、発表を行った。 また論文としては、全国調査の結果報告としてCHILD RESEARCH NETのWEBにおいて「父親支援に関する全国自治体調査について」を発表した。http://www.blog.crn.or.jp/report/02/220.html。また全国調査で知見を得ることのできた父子手帳については「父親支援における父子手帳の内容とその意義」として、大阪教育大学家政学研究会「生活文化研究53冊2016」に掲載した。 同時にこれらの全国調査より、父親支援教育やプログラムに取り組んでいる自治体へのヒアリングを実施した。全国の10数カ所での実施を行い、現在データ化と分析を行っている。全国調査により量的な知見を得ることができたので、それを足かがりとして、質的な調査を行いより高度な父親支援教育状況の把握に努めることとしている。 また「父親支援研究会」を立ち上げ、父親支援に関わる研究者、実践者同士の交流、研究の場を作ることができ、より質の高い情報交換と研究を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全国調査を行うことができそのデータの集計とまとめと分析を行っている。またまとめの内容を学会の口頭発表、また論文として作成てできているので概ね順調に進行している。全国調査のデーターから、地方自治体の規模や産業構造などの違いにより、父親支援のありようについて大きな差があることが理解できた。またこれらの取り組みのあり方が、地方自治体の人口への影響との関係性があることも、推測される結果が得られた。父親支援の今後の可能性を示唆する結果が得られた。インタヴュー調査は、当初30程度の自治体へのインタヴューを予定していたが、交渉の中で断られたり、受け入れられなかった事案が複数あったので、実際には十数件にとどまっている。さらに交渉を続けて、もう少しインタヴューの件数を増やしていきたいと考えている。 また父親支援に関わる研究者数名と実践者による父親支援研究会を設立してすることができた。父親支援にかかほる研究者と実践者の交流、情報交換の機会を得ることができ、より質の高い研究を進めることができた。これらにより研究の内容の深化が進み、また同時に父親支援に関わる様々な領域や取り組みなどを知ることができ、研究の幅が大きく広がってきたと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度を迎える今年度は、成果の総まとめを行うことを予定している。一つは保育学会等の口頭発表において全国調査のさらに分析を進めた発表を行い、父親支援教育の取り組みについての知見を深めたいと考えている。特に自治体の規模による違いが、父親支援の取り組みに大きく影響を与えていることについて関心を持ち発表を行う。つまり父親支援のありようは、それぞれの自治体の歴史的、地政学的、産業構造等の各自治体の特性により、大きく影響を受けることがわかった。それはつまり、各自治体ごとに応じた父親支援のありようが、必要であるということであり、その地域文化との融合が、今後の父親支援に求められる視点である。このことを理解した上での父親支援のありようを、模索あるいは発信わしていきたい。 そして父親支援研究会のメンバーとともに、我が国初となる「父親の育児支援」の書籍の刊行を予定している。今回の件研究によって得られたデータや、これまでの父親研究に関わる様々な取り組みなや全国の父親支援の実践者やプログラムを一同に介して、一冊のまとめとしたいと考えている。そしてまたこれまでの全国調査と自治体へのインタヴュー調査、それぞれに論文として、学会誌等への投稿を予定している。
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Causes of Carryover |
全国調査の費用が予想以上に多くかかったため。最小の集計件数が、予想を下回り30%程度となったために、電話による依頼を行ったりしたために当初の予算より、調査費用が膨らんだため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
インタヴュー調査の件数を少し抑え、その分を調査費用に回し対応を検討している。
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Research Products
(7 results)