2018 Fiscal Year Annual Research Report
Rebuilding consumer sentiment indicators to fit consumer society to come
Project/Area Number |
15K00732
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Research Institution | Atomi University |
Principal Investigator |
佐野 美智子 跡見学園女子大学, 観光コミュニティ学部, 教授 (90295949)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 消費態度モデル / 消費者心理指標 / 消費予測 / 世代 / 構造方程式モデリング / グラウンデッド・セオリー・アプローチ / 豊さ / 消費意欲 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,現行の消費態度モデル(内閣府の消費者態度指数に代表される消費者心理指標など)の有用性が低下しているという仮説を検証し,これからの消費社会に適合するモデルに向けて再構築を目指すものである。「高度経済成長後に消費経験を積んだ世代(ポスト成長世代)の消費行動は,大衆社会化が進んだ経済成長期に開発された現行の消費態度モデルでは十分に説明できない」という仮説を,量的調査データにより検証する。また,質的調査により消費者が望む消費生活目標を探り,その結果を量的調査の調査票作成に活かし,これからの消費態度モデルに有効と考えられる心理要因を明らかにする。 研究初年度は消費者が手に入れたいと望む生活や豊さ観について半構造化インタビューを実施し,グラウンデッド・セオリー・アプローチにより仮説モデルを構築した。次年度は仮説検証のために,パネル設計のインターネット調査(6月に消費態度を尋ねる本調査,半年後に,過去半年間の消費行動を尋ねる追跡調査)を行った。最終年度(延長年度含む)はパネルデータをもとに,消費のトータルモデル(研究代表者が2004年に作成。6月の消費態度とその後半年間の消費行動との因果関連をモデル化)を利用した仮説検証を行った。データを15歳刻みの年齢階層(若・壮・中・高)に分割して構造方程式モデリングの多母集団分析により,ポスト成長世代を中心とする壮年層は,高度成長世代の団塊世代を中心とする高年層に比べ,消費行動を規定する購買意欲の効果が半分程度にとどまることが明らかになった。また,購買意欲を説明する消費態度モデルの説明力も低い。ミレニアル世代を中心とする若年層は壮年層よりさらに購買意欲の効果は小さく,消費態度モデルの説明力も低下することがわかった。これらの成果は学術論文や書籍にまとめ,今後発表していく予定である。モデル再構築については引き続き研究を進める予定である。
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Research Products
(1 results)