2015 Fiscal Year Research-status Report
世代間関係、ネットワークからみた中年期から高年期への移行と夫婦関係に関する研究
Project/Area Number |
15K00736
|
Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
松信 ひろみ 駒澤大学, 文学部, 教授 (00331538)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 究 名古屋市立大学, 人文社会系研究科, 准教授 (80269133)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | ソーシャル・ネットワーク / 夫婦関係 / 世代間関係 / 中高年期 / 祖父母孫関係 / 老後への不安感 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度に実施する量的調査に向けて、平成27年度の前半は、先行研究の精査を目的とした文献研究を行った。中高年期をとりまく社会環境を始めとして、中年期から高年期へのライフステージの移行に伴う夫婦関係や親子関係の変容、祖父母役割の獲得と自身の老後への不安等に関して、夫婦の保有するソーシャルネットワークや様々な資源との関連から検討を行った。 年度後半からは、調査票の作成を目指して、調査項目の選定を行った。研究代表者、研究分担者、連携研究者それぞれの関心に従って、①夫婦の役割関係と勢力関係、②祖父母役割の獲得と祖父母と孫の関係、③老後への不安と職業生活、地域生活との関係という三分野を中心として、従属変数を設定した。そして、独立変数としては、本研究の重要な視点である夫婦の保有するソーシャルネットワークに加え、社会(ジェンダー)規範、社会経済的資源(学歴、職業歴、収入)などの独立変数との関連性を検討できるような形で調査票の設計を行った。ネットワーク項目としては、バートの相談ネットワークの指標を採用することとした。 本研究は、東京と名古屋という特性の異なった大都市圏で、これからリタイアを迎えようとする55歳からリタイアを迎えた75歳までの既婚の男女を対象とすることに特色がある。対象者の選定にあたっては、選挙人名簿と住民基本台帳のどちらを使用するか詳細に検討した結果、選挙人名簿であると、①地域的な偏りが発生してしまう可能性があり、それが地域の特性であるのか、東京と名古屋の特性の違いであるのかの判別が困難である、②平成28年度の夏に選挙が行われると名簿の閲覧に制限がかかり、夏季休業中のサンプリング作業が困難になる恐れもある、といった2点から、住民基本台帳を用いたランダムサンプリングを実施することに決定した。 以上の作業により、平成28年度に実施する量的調査への準備は十分に整ったといえる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度に実施する量的調査の調査票は、年度末にほぼ完成し、あとは微調整とプリテストによって修正を行うのみとなっているため、計画通り順調に進んでいる。ただし、サンプリング作業に関しては、選挙人名簿ではなく、住民基本台帳を用いて実施することに決定したため、平成27年度末から検討する予定であった調査対象地域(自治体)の選定は実施していない。 住民基本台帳によるサンプリングの抽出拠点は、国勢調査を用いてサンプリング実施前に行うこととした。
|
Strategy for Future Research Activity |
既に述べたとおり、サンプリングは、住民基本台帳を用いて行うこととなった。しかし、選挙人名簿に比して、住民基本台帳の閲覧に関しては、大学の登記簿等提出書類も多く、条件が厳しいため、研究者個人の申請では許可が降りないこともある。そこで、官公庁の調査委託により、住民基本台帳の閲覧を頻繁に行っている信頼のおける業者に委託して実施するほうがよいという結論に至った。さらに、業者がサンプリング作業によって抽出した対象者の住所と氏名を、研究代表者なり共同研究者なりが受け取って調査票の発送に使うということになると、住所・氏名の記録が手元に残ってしまう恐れが発生し、さらに閲覧が困難になることも予想されるため、調査票の発送作業も業者へ委託することとした。 以上のように、平成28年度に実施する量的調査の計画を見直し、①サンプリング作業、②調査票の発送作業と督促状の発送、③データ入力作業、は業者委託によって実施することにした。返送された調査票のチェック作業は、当初の計画通り、学生アルバイトによって実施する予定である。 なお、サンプリング作業と調査票の発送作業を業者委託に変更することにより、調査実施時期を当初の計画よりも1ヶ月程度早めることが可能になる見込みである。
|
Causes of Carryover |
平成28年度の調査計画を見直し、調査作業の多くの部分を業者委託で実施することにした。業者への委託料はかなり高額であり、平成28年度予算の金額では賄いきれないことが予想されるため、それに備えて平成27年度の使用金額は可能な抑え、平成28年度に繰り越すことにした。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度の助成金は、ほぼ業者への調査委託料に使用する計画である。既に業者へは見積りを依頼しているが、最低でも平成27年度からの繰越金と平成28年度分の合計金額くらいになる見込みである。
|