2016 Fiscal Year Research-status Report
世代間関係、ネットワークからみた中年期から高年期への移行と夫婦関係に関する研究
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15K00736
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
松信 ひろみ 駒澤大学, 文学部, 教授 (00331538)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 究 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 准教授 (80269133)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ソーシャル・ネットワーク / 夫婦関係 / 世代間関係 / 中高年期 / 祖父母孫関係 / 老後への不安感 / 役割関係 / 勢力関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、本研究課題の中心的な部分となる、中高期夫婦への量的調査を実施した。調査票は前年度後半から検討に入っていたが、最終調整を4,5月で行い、プリテスト実施後、質問項目を若干修正し、6月に印刷を行った。調査票の主な質問項目は、夫婦の保有するソーシャルネットワーク、孫との関係や孫の世話にかかわる意識、退職後の生きがい、社会活動、地域生活、老後への不安感、夫婦の役割分担や勢力関係、夫婦関係への満足度、社会意識などである。また、調査票の作成と同時進行で、6月からサンプリング作業に入った。平成28年度は大規模な選挙も予想され、選挙時期には選挙人名簿の閲覧が困難であるため、住民基本台帳を用いたランダムサンプリングを行うこととした。また、住民基本台帳を用いたサンプリングは、近年かなり制約が厳しくなっており、研究者個人では閲覧の許可が下りない自治体もあるため、この作業に精通した業者への委託により実施した。当初の計画では、東京と名古屋において55歳から75歳の既婚と思われる男女各1250名(合計5000名)を抽出する予定であったが、業者委託により費用が嵩むため、サンプルの抽出数は各地域で1000名(合計2000名)とした。国勢調査に基づき、サンプリング地点を各々40か所抽出したのち、それぞれの地点から25名ずつ抽出した。サンプリングは9月までに終了させ、10月には調査票の発送、回収を行った。東京と名古屋で合計906票の回答を得た。引き続き業者委託によりデータ入力作業に入り、1月に入力作業を終えた。2月に追加のデータ入力を行い、ラベルの作成、そして、3月にデータのクリーニング作業を実施し、分析可能なデータとすることが完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サンプリング作業を業者委託することにより、調査実施時期を当初の計画よりも1か月程度早められる予想であったが、国勢調査に基づき調査地点を抽出したため、サンプリング作業を行う自治体が多数に渡り、全部を終了させるまでに予想以上に時間がかかり、調査実施時期を早めることができなかった。また、データ入力も業者委託で実施したが、要望通りの入力形式としてもらうために、何度か修正を行うことになり、最終的なデータの完成は、当初の計画通りとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は当初の計画通り、前半期にデータ分析を実施し、後半期にその結果を踏まえた上でインタビュー調査を実施する。インタビュー対象者は、調査票の最後に設けておいたインタビュー調査への協力の有無と連絡先の記入欄に基づいて選定するが、予想以上に多くの対象者からインタビューに協力してもよいという回答を得ているため、十分に吟味した上で、対象者の選定を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
平成28年度の支出は、そのほとんどが調査実施のための業者委託費であった。平成27年度の繰り越し金と平成29年度使用予定枠から一部前倒しを行うことで業者への支払いが可能となった。そのため、平成29年度に実施するインタビュー調査のための予算の見直しを検討したが、若干の不足が生じる可能性があり、平成30年度予算から一部前倒しを行うこととした。平成30年度予算に組み入れていた学会等の報告のための旅費は所属先の個人研究費などから一部賄う予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度予算は、調査報告書(調査協力者へ配布)の印刷費、インタビュー対象者への謝礼、インタビュー実施のための交通費が主な使用費目となる。
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