2017 Fiscal Year Research-status Report
家政教育の社会貢献に寄与するためのサービス・ラーニングについての研究
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15K00738
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Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
増田 啓子 常葉大学, 保育学部, 教授 (20387533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
良知 恵美子 常葉大学, 外国語学部, 教授 (10230856)
田崎 裕美 静岡福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (70352854)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | サービス・ラーニング / アンケート調査 / 国際シンポジウム / 実践報告 / 招聘講演 / 米国家政教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
米国におけるサービス・ラーニングの実態を把握するため、前年度に実施した米国の高等・中等教育の研究者及び実践者を対象としたアンケートの取りまとめを行い、8月東京で開催されたアジア家政学会議で学会報告を行った。国際会議において、海外の研究者から多くの質問を受け、日本の諸外国における教育の違いについて、改めて確認した。また国内の研究者から、サービス・ラーニングというものを始めて理解することができたとの感想を得ることができ、日本における啓発活動の一歩を刻むことができた。 同時に日本で家政学に関連する福祉領域でのサービス・ラーニングの実践を試行し、その検証結果について、同じくアジア家政学会議でポスター発表を行った。小規模な試行であるが、学生や地域の参加者について、詳しい検証を行うことができ、意義ある教育活動であることを確認し、同時に実施の課題を具体的に把握することができた。 さらに家政教育におけるサービス・ラーニングの理解を日本国内の家庭科教育実践者に深めるため、サービス・ラーニング専門家であるマリリン・スイーク氏(元アメリカ家族・消費者科学会会長)を米国より招聘し、講演会を開催した。講演会は東京で開催し、同時に家庭科のレッスンスタディ研究グループとのコラボレーションにより、スウェーデン・アイルランド・シンガポール・日本(荒井紀子氏:現家庭科教育学会長)の家政教育研究者とのシンポジウムを共同開催し、相互理解を深めた。シンポジウム参加者の関心も高く、今後は日本の参加者を対象としたアンケート調査についても準備を進めている。 ここまでの結果により日本の家政教育の分野でのサービス・ラーニングを推進するための資源が必要であることが示唆され、役立つ資源としてサービス・ラーニングガイドを入手し研究代表者・研究分担者の所属大学で資源を作成することを計画した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度予定されていた米国講師を招聘しての講演会の実施および国際会議の開催、昨年の調査結果のアジア家政学会議での学会報告など、予定していた計画は予定通り実践した。 来年度予定しているサービス・ラーニングに必要とされる教育資源の情報収集などを計画的に実施している。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度にあたり、これまでの結果を取りまとめると共に、研究代表者・分担者の所属大学の本カリキュラムにおけるにおいてサービス・ラーニング試行・検証を行う。同時に、サービス・ラーニング推進のための資源づくり(サポート体制の組織化・モデルカリキュラムの作成・サービス・ラーニングガイドの作成)を進める計画である。
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Causes of Carryover |
当初予定していた招聘講師の航空チケットを、直接取引にしたため、仲介料を節約することができたことや、会議資料の翻訳作業を研究代表者と分担者が、学生アルバイトを利用しながら外注することなく実施したため、人件費を大幅に縮小することができた。翻訳の精度は、研究分担者の専門性により十分に保つことができており、よりわかりやすい資料を作成することができている。 また、招聘講演会を家庭科教育のレッスンスタディ研究グループと共同開催したために、会議費用を節約することができた。さらに参加者の動員についても効果をあげることができた。 節約することができた経費は、サービス・ラーニングガイドの印刷費などに加える予定である。
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