2015 Fiscal Year Research-status Report
住民主体の互助活動を推進する地域リハビリネットワーク構築に関する研究
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15K00741
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Research Institution | Osaka Butsuryo University |
Principal Investigator |
高井 逸史 大阪物療大学, 保健医療学部, 教授 (70635937)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 介護予防 / 互助活動 / 校区福祉委員会 / 理学療法士 / 近隣商店 / 住民ボランティア / NPO法人 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は堺市で最も高齢化が進んでいるM区において、社会福祉協議会の助成のもと実施されている自治会単位の互助活動である福祉委員会活動を対象に、介護予防に関連する活動の実態を把握するためのアンケート調査を実施。訪問による個別援助活動のうち、「見守り・声かけ活動」はすべての自治会で実施されていたが、「家事支援」や「外出支援」など介護保険制度に含まれている援助活動はほとんど実施されていないことが判明した。多くは通いによる介護予防活動が多くみられた。その従事者の多くは民生委員であり、しかも参加者が固定されている傾向がみられた。その中で「地域リハビリ」では保健師などがアウトリーチで運動指導しているが、あくまでも住民主体が中心で実施しているため、理学療法士など運動専門家による健康講座の指導を希望する自治会が多くみられた。 次に介護予防活動の参加数や実施回数が多い自治会に対しインタビューを実施した。その結果、ある校区では近隣のスーパーや企業から景品など無償で提供を受けるなど、近隣商店が福祉委員会活動を支援していた。さらに、別の校区では従事者の多くは民生委員ではなく住民ボランティアが担っており、住民自らが近隣に対しボランティアを依頼し、互助組織を増やす仕組みが機能していた。 さらに介護予防に資する活動を行っているNPO法人に対し活動内容に関するインタビューを実施した。その結果、各団体の背景は異なるものの、主催側のメンバー同士が生きがいを持って地域活動を行い、社会貢献に寄与したいという一致した志しを抱いていることが分かった。課題として、設立当初のメンバーが高齢化し後継者がいなく、将来的に存続が危ういことなど挙げられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
社会福祉協議会の協力が得られ、校区福祉委員会の活動実態を把握するアンケートの実施ができた。さらに個別インタビューが実施でき、介護予防において自治会単位の互助活動を有効に展開する手法を把握することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
校区福祉委員会活動における通い型の介護予防「地域リハビリ」をより効果的、効率的に行うには、理学療法士などリハビリ専門職が住民と協働し、参加者の健康チェックや健康運動の助言を行うなど、これまでの専門家として介入するのでなく、あくまでも住民らが主体であり互助活動をサポートする、つまり自分たちも互助的組織の一員であると意識改革が求められる。 そのためには、リハビリ専門職がプロボノを通じ互助活動を協力支援できる体制づくりを設立する必要がある。
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Causes of Carryover |
インタビューの調査と結果分析等で多くの時間を要し当該年度内に予定していたことが遂行できなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
インタビュー調査の結果を下に、調査対象区域の互助組織の活動内容を記載したリーフレットを作成する。
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Research Products
(1 results)