2018 Fiscal Year Annual Research Report
Proposal for new high-visibility clothing and accessories for the safety of visually disabled pedestrians
Project/Area Number |
15K00745
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
落合 信寿 産業医科大学, 医学部, 助教 (90386649)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 視覚障害者 / 交通安全 / 衣服 / 装備品 / 色彩 / 工業規格 / 視認性 / 誘目性 |
Outline of Annual Research Achievements |
蛍光色生地と再帰性反射材を用いた高視認性衣服(high-visibility clothing)は、ユニフォームの工業規格であるが、運転者等から着用者を瞬時に発見可能であり、危険回避が困難な視覚障害者の交通安全に有用と考えられる。本研究の目的は、視覚障害者の交通安全に寄与するための新しい高視認性衣服・装備品の試作開発である。これまで、視覚障害者の交通事故の特徴分析、高視認性衣服のニーズ調査等を実施してきた。 本年度は、昨年度作成した視覚障害者向け高視認性衣服・装備品のデザイン案10種類に対して、視覚障害者の介助者146名を対象に、インターネット調査によりデザイン案の評価を実施した。評価結果に基づき、ベスト、ボディーバッグ、帽子3種類(色は蛍光オレンジ)を試作品の候補に選定した。高視認性衣服製作の専門家の協力により、これら3種類の試作品を製作した。 製作した試作品の効果を検証するため、北九州在住の視覚障害者11名、介助者7名を対象に、3週間の使用期間を設けて、視覚障害者による試作品3種類の使用評価を実施した。対象者は3週間後、28項目の質問紙に回答した。結果、視覚障害者からは、試作品の着用により、白杖だけの時よりも周囲からの声掛けが増えた、歩道のない道路で自動車が徐行したり、避けるようになった等の体験が報告された。視覚障害者においては、他者からの肯定的な言動・サポートや交通場面の状況変化を通じて、安全に対する効果を実感できたことが示唆された。試作品の交通安全に対する効果は、ベストが最も評価が高く、次いでボディーバッグ、帽子の順であった。一方「製品化するとしたらどれがよいか」の質問項目は、ボディーバッグの評価が高く、次いでベスト、帽子の順であった。全身にまとう衣服よりも、バッグのように身体の一部に着用する装備品が、視覚障害者のニーズにより適合することが明らかになった。
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