2015 Fiscal Year Research-status Report
こころとからだの関係から考えるパーソナルファッションとその教材化に関する研究
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15K00753
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
村上 かおり 広島大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (80229955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 智恵 三重大学, 教育学部, 教授 (60132437)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 着心地 / パーソナルファッション / 筋負担 / 着衣疲労 |
Outline of Annual Research Achievements |
超高齢社会を迎え,ユニバーサルファッションという概念も普及しつつある現在,誰もが快適に衣生活を営める環境整備は不可欠である。しかし体形の異なる様々な人間に適した衣服を設計するよりも,個々の微細な違いをも考慮した衣服設計,すなわちパーソナルな体形情報を生かし,身体負担のかからない衣服を設計することの方が望ましいと考える。そこで衣生活の実態をとらえるため,素材,デザインなどの服種の異なる既製服着装時における衣服着用と疲労感についてのアンケートを行い,分析を行った。アンケートの調査内容は,日常生活における衣服選択行動,服種の嗜好などの衣服選択意識ならびに動作時の衣服の拘束感,それによって生じる疲労感など,服種の違いによる着衣感を把握できる質問項目とした。また異なる年代間における衣服の嗜好について,3世代間の調査を行った。さらに日常の衣生活では,TPOに応じた衣服を選定し着装することが多いため,室内でくつろぐ際に着用する衣服について,調査を行った。これらの結果からパーソナルファッションとして快適な衣服に必要な要因について検討を行った。 室内でくつろぐ際に着用する衣服と,公的な場面で着装する衣服の着心地について,筋電図測定による筋負担の解析を着心地の客観的評価として用い,検討を行った。 また小学校,中学校,高等学校の家庭科において衣服の機能について学習するが,衣服と人間との関係を理解するための衣生活教育教材として,本研究のデータがどのように活用できるか,それぞれの教科書の衣生活に関わる内容について考察を行った。 以上の調査結果,実験結果を総合的に分析することによって,心身ともに着心地のよい衣服とは何かについての示唆が得ることを目的に研究を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
素材,デザインなどの服種の異なる既製服着装時の筋負担計測を行い,それらのデータを分析することによって,衣服着用による疲労の実態について検討を行った。着衣疲労の測定に適した生体信号として脳波の測定を考えていたが,その機種選定に予定よりも時間がかかったことから,平成27年度内には,新たな生体信号による着衣疲労に関するデータ収集ができていないため,やや遅れているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度に予定していた生体信号収録装置の準備は平成28年度早期に行う予定である。また服の素材の違いによる着衣疲労を測定するため,服種の選定と既製服との比較に必要な個人対応の縫製衣服の準備は進めており,平成28年度には27年度の遅れを回復できるよう進めている。
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Causes of Carryover |
購入予定装置の選定に時間を有したため,平成27年度内に予算執行できなかったため,必要経費を平成27年度から平成28年度使用に変更した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
衣服着用時の着衣疲労について生体信号収録装置の機種選定を進めており,平成28年度早期に購入する計画である。
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Research Products
(7 results)