2016 Fiscal Year Research-status Report
子どもと高齢者をつなぐ地域コミュニティの拠点としての公園のあり方に関する研究
Project/Area Number |
15K00764
|
Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
番場 美恵子 昭和女子大学, 生活科学部, 講師 (40384630)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 街区公園 / 高齢者 / 子ども / 地域コミュニティ / 観察調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地域に身近に点在する街区公園を主な対象とし、子どもと高齢者をつなぐ地域コミュニティの拠点としての公園のあり方を模索するものである。公園の利用形態および空間的特性を捉えるために、観察調査およびアンケート調査、ヒアリング調査を行う。地域住民の視点に立脚した調査研究により、地域住民の生活に直結した提案を行う。 これまでの調査データを踏まえ、2015年度は埼玉県所沢市を対象とし、高齢者の利用形態を中心に調査を行った。2016年度は、川崎市宮前区を調査対象とし、管理体制の違いによる公園の利用形態、イベントを通した公園の使われ方と計画、犬の散歩からみる公園利用と交流の形態という視点で調査・分析を行った。 直径1kmの範囲にある、小規模S(1000㎡未満)、中規模M(1000-5000㎡)、大規模L(5000㎡以上)各1カ所の計3公園を選定した。各公園において、平日2日、休日1日の9時~17時までの行動観察調査、および幼児保護者、小学生、成人・高齢者、犬の散歩者に対するアンケート調査(計175人)を行った。また、管理体制について、区役所道路公園センターへのヒアリングも行った。調査時期は2016年9月である。 管理体制に関しては、地域住民の関わりによって整備状況に違いがみられた。管理を住民に委ねることは、予算の削減、住民自身が公園に愛着を持つなど、地域の拠点としての公園の存在に一役買っているが、一方で自治会の高齢化にともない、なり手がいないこと、活動に制限ができてしまうことなどの問題点が浮き彫りになった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
毎年一地域を選定し、該当地域における規模の異なる公園3~4カ所を調査する計画である。2015年は所沢市で、2016年は川崎市宮前区で調査を完了することができた。 ただし、調査地域は、研究計画に表記した場所に限定せず、全体の状況を鑑みながら選定する方針のため、変更になる場合がある。
|
Strategy for Future Research Activity |
2017年以降も、地域を選定して、該当地域での規模の異なる公園の調査を行う計画である。2017年度は「地方」における公園の利用形態をみることとし、栃木県小山市を計画している。 また、これまでの研究の成果を踏まえ、公園においてイベントを開催することを計画している。昨年調査を行った川崎市宮前区において、利用頻度の低い小規模S公園で、地域の高齢者と子どもをつなぐイベントを仕掛けることで、地域コミュニティのきっかけを誘発する一因としたい。高齢者には大学の学生とともに主催者側として計画を立案し、子どもが楽しめるイベントを計画したいと考えている。
|
Causes of Carryover |
2016年度は1日の調査員の動員数が確保でき、同日並行してに調査可能な公園があったことにより、謝金を若干抑えることができ、差額が生じた。 差額の多くは、2015年度の繰り越し額である。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
2017年度は地方で調査を行う計画のため、旅費が多く発生する予定である。 また、イベントに使用する消耗品等でも、予算の使用を見込んでいる。
|