2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of percutaneous absorptive swallowing improving agent corresponding to aging society
Project/Area Number |
15K00786
|
Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
宮村 充彦 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (70464378)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 嚥下 / 経皮吸収 / サブスタンスP |
Outline of Annual Research Achievements |
超高齢化社会を迎えた日本において、加齢や基礎疾患による嚥下反射低下、さらには嚥下機能障害が問題となると予想されることから、本研究では高齢者の生活の質(QOL)上昇させることを目的に経皮吸収製剤による嚥下機能改善剤の開発を開始した。 TRPV1agonistであるバニリン誘導体を含有する高知県産ショウガを配合した経皮吸収製剤を作製し、第16改正日本薬局方に準じた製剤試験を実施した。また、経皮吸収製剤の作製に当たっては、基剤、可溶化剤、ショウガの配合量についてラット皮膚を用い、TRPV1agonistである6-ショウガオールを指標とした皮膚透過試験および皮膚刺激性試験を実施することにより、処方を最適化した。最適化した経皮吸収製剤は、臨床試験およびメカニズムの解明ための非臨床試験(動物実験)に用いた。 臨床試験は、健常成人10名(20歳代:5名、50歳代:5名)を対象に実施し、評価項目を経皮吸収製剤である軟膏塗布前および塗布後の1,2,4,8,12,24時間後の唾液中サブスタンスP(SP)とした。臨床試験の結果、20歳代、50歳代共に塗布後1時間後より、唾液中SP量がプラセボ軟膏に比べ有意に高値を示し、20歳代では塗布後8時間、50歳代では塗布後4時間後まで有意に高値を示した。さらにショウガ配合軟膏塗布時の唾液中SP量の半減期を算出した結果、20歳代では3.9時間、50歳代では6.1時間となった。これらのことより、ショウガ配合軟膏は、唾液中SP量を上昇させることにより、嚥下機能を塗布後1時間後から改善し、その効果は半減期より数時間持続するものと考えられる。 メカニズムの解明のための非臨床試験(動物実験)は、評価系の確立に難渋しており、現在筋電図を用いた嚥下機能の定量化について検討を行っている。
|