2017 Fiscal Year Annual Research Report
Regulation of inflammation and energy metabolism by broccoli sprout extract
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15K00813
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
長田 直人 金沢大学, 医学系, 講師 (70456408)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | エネルギー代謝 / 肥満 / ブロッコリースプラウト / 腸内細菌叢 / 慢性炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
ブロッコリースプラウトに含まれる機能性因子グルコラファニンを混ぜた高脂肪の餌を与えたマウスと,グルコラファニンを混ぜていない高脂肪の餌を与えたマウスの体重を比較した。その結果,グルコラファニンを混ぜた餌を与えたマウスは体重増加率が約15%抑えられ,内臓脂肪量が約20%減少し,脂肪肝と血糖値の上昇が抑えられた。その作用機序として,グルコラファニンが,①脱共役タンパク質1(Uncoupling protein-1, UCP-1)を増加させ,エネルギー消費の増加と脂肪の燃焼をもたらす「脂肪細胞の褐色化」という現象を促進することが明らかになり,また,②グルコラファニンは,内毒素(LPS,エンドトキシン)を過剰に産生するデスルフォビブリオ科の腸内細菌の増殖を抑制しており,血液中の内毒素を低下させ,代謝性エンドトキシン血症を改善するという作用を発見した。これらのことから,①脂肪の褐色化を促進することでエネルギー消費を増大させ,肥満を抑制する作用,②高脂肪食による‘肥満型’腸内細菌叢を改善し,代謝性エンドトキシン血症を抑える作用というグルコラファニンの新たな2つの作用を明らかにすることができた。さらに本研究では,グルコラファニンの生体内の標的分子であるNrf2の欠損マウスにグルコラファニンを与えても,体重増加の抑制や褐色脂肪化による脂肪の燃焼といった効果は認められなかったことから,グルコラファニンによる肥満抑制の標的分子としてNrf2が重要であることも明らかとなった。これらの研究成果は米国糖尿病学会誌Diabetesに掲載された。
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