2016 Fiscal Year Research-status Report
健康長寿を目指した補酵素Q10摂取の食品ガイドの作成と遺伝型を考慮した栄養指導
Project/Area Number |
15K00840
|
Research Institution | Wayo Women's University |
Principal Investigator |
鈴木 敏和 和洋女子大学, 生活科学系, 准教授 (70270527)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 健彦 和洋女子大学, 生活科学系, 教授 (40233879)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 補酵素Q10 / 健康長寿 / 栄養強化食品 / 吸収 / 遺伝子多型 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の調査より、食事指導のみでは補酵素Q10(CoQ10)の摂取量に限界のあること、食費の負担の大きくなるなることが分かった。そこで本年度は、還元型CoQ10粉末を添加して炊飯されたCoQ10強化ご飯を被験者に摂取してもらうことにした。 管理栄養士養成施設通学中の20代女子22名を被験者として、米飯100gあたり12mgのCoQ10を含むCoQ10強化ご飯を1日当たり300g、3週間食してもらい、介入前後の血清CoQ10値および血液生化学値を測定した。また、被験者の血液サンプルよりゲノムDNAを抽出し、遺伝子1塩基多型解析用の鋳型として用いた。被験者には、介入前の2週間および食事介入中3週間食事記録をつけてもらい、毎日のCoQ10摂取量の見積もりも行った。 食事介入前後における被験者の1日当たりのCoQ10平均摂取量は、それぞれ2.2±0.7、32.9±5.5mg、血清CoQ10値はそれぞれ、0.81±0.19、2.50±1.54 μg/mLであった。CoQ10強化飯摂取により血清CoQ10値は有意に上昇した(p<0.0001)が、上昇量は個人差が大きかった。様々な血液生化学値との関連を調べたところ、血清総コレステロール値が200mg/dL以上の者(n=7)は、それ以外の者(n=15)と比べてCoQ10強化飯摂取による血清CoQ10値の上昇度の大きいことが分かった(p<0.05)。そこで、血清総コレステロール値と関連のあるAPOBの遺伝子1塩基多型(rs1042034, A>G)を調べた。血清総コレステロール値200mg/dL以上の者7名のうち6名がG/G型であったが、食事介入前後における血清CoQ10値とG/G型保持者との関連は見出されなかった。現在、血清コレステロール値またはCoQ10値と関連のあることが報告されている遺伝子1塩基多型について解析を行っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CoQ10強化食品を摂取させる介入試験で、血清CoQ10値上昇に個人差の見られること、その個人差と関連のある血液生化学値を見出すことができたからである。CoQ10は脂溶性であることや、脂質と同様な経路で体内に吸収されると考えらえており、強化食品摂取に伴う血清CoQ10上昇量が血清コレステロール量と関連のあることが予測される。解析サンプル数を増やすことで、遺伝子1塩基多型との関連を見出せる可能性がある。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は、候補となる遺伝子1塩基多型の種類を増やして解析を進め、関連を調べる。また、CoQ10サプリメントを摂取試験に参加している約170名よりDNAサンプル採取用の血液提供してもらえる機会を得た。そのDNAサンプルの解析も含め、CoQ10を吸収しやすい遺伝子型があるのか調査を行う。さらに、CoQ10は生合成されるので、余裕があれば生合成系遺伝子1塩基多型との関連も行う。管理栄養士養成施設通学中の20代女子を対象とした解析についても協力者を得てサンプル数を増やす。
|
Causes of Carryover |
当初は次年度(2017年度)一般市民30名を対象とした介入試験を想定していたが、本年度中に既に介入試験を行っている170名の同意を得て血液サンプルを入手することができた。当初予定していた数の5倍のサンプル数の遺伝子多型解析を行うことから、次年度に係る費用が当初の見積もり額をはるかに超えることとなったため、今年度の費用を次年度に回すことにした。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
170サンプルのDNAの遺伝子1塩基多型解析の費用として使用する。
|
-
-
-
[Journal Article] Inhibitory Effect of 13 Taxane Diterpenoids from Chinese yew (Taxus chinensis var. mairei) on the Proliferation of HeLa Cervical Cancer Cells2016
Author(s)
Li, Hai-Sheng; Gao, Yu-Huan; Liu, Li-Hong; Liu, Wei; Shi, Qing-Wen; Dong, Mei; Suzuki, Toshikazu; KIYOTA, Hiromasa
-
Journal Title
Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry
Volume: 80
Pages: 1883-1886
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
-
-
-
-