2017 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of protective effect of dietary supplementation with n-3 fatty acids against feeding disorder following cerebral ischemia in mice
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15K00848
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| Research Institution | Teikyo University |
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Principal Investigator |
道志 勝 帝京大学, 薬学部, 講師 (30392385)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 志朗 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 准教授 (00222406)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | α‐リノレン酸 / 炎症 / 脳虚血モデルマウス / 摂食障害 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
我々は実験的脳虚血モデルマウスにおいて炎症反応が亢進し摂食障害が生じることを見出した。以前、n-3系脂肪酸を摂取したマウスは、LPS投与によって生じる摂食障害が生じにくいことを明らかにしていたため、脳虚血モデルマウスにみられる摂食障害に対してもn-3系脂肪酸は予防効果を発揮するのではないかと考え研究を行った。まずはじめに、n-3系脂肪酸のひとつであるα-リノレン酸の給餌がマウス一過性脳虚血によって生じる体重および摂食量の減少に対して軽減効果を発揮することを明らかにした。また、α-リノレン酸はマウス一過性脳虚血によって発症する脳浮腫は軽減したが、海馬神経細胞死の発生には影響を及ぼさなかった。n-3系脂肪酸の抗炎症効果は、組織リン脂質中のエイコサノイド前駆体脂肪酸であるアラキドン酸含量を低下させることで発揮される。また最近ではEPA由来の代謝物に抗炎症作用があることがわかっている。しかしながら、このときの脳および肝臓中リン脂質脂肪酸組成を解析したところ、肝臓ではアラキドン酸含量の低下およびEPA含量の増加が顕著であったが、脳においてはそれらの変動がほとんどなかった。このことから一過性脳虚血によって生じる摂食障害および脳浮腫に対するα-リノレン酸の軽減効果は、単純に脳内エイコサノイド産生抑制やEPA由来の代謝物による抗炎症作用では説明できないことが推測された。さらに、LPS投与後の脳内（視床下部）における炎症性サイトカイン類のmRNA発現量を定量したところ、α-リノレン酸の給餌によりTNF-α、IL-1βなどのmRNA発現量が減少していることを見出した。つまり、α-リノレン酸は、LPS投与によって視床下部で起こる炎症性サイトカイン産生応答を抑制することによって摂食障害を軽減している可能性が示唆された。これまでに、n-3系脂肪酸の脳内炎症反応に対する作用機序はあまりよくわかっておらず、本研究成果がその解明の糸口になると考えられる。
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