2016 Fiscal Year Research-status Report
マウス新生仔の情動形成における多価不飽和脂肪酸の役割に関する研究
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15K00851
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
守口 徹 麻布大学, 生命・環境科学部, 教授 (10512006)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 食生活学 / 情動行動 / 多価不飽和脂肪酸 / モノアミン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,n-3系脂肪酸欠乏乳を調製して,マウス新生仔を人工飼育し,授乳・形成期に摂取した多価不飽和脂肪酸のバランスの違いによって生じる情動行動の違いを検証して,情動形成期における脂肪酸の役割を明確にするものである. 平成27年度のn-3系脂肪酸欠乏乳の調製,マウスの誕生2日目から離乳までの人工乳による人工飼育,. 人工飼育個体の情動行動評価,行動試験終了時の組織採取を踏まえ,平成28年度は以下に示す全項目について実施した. 1. 行動試験の詳細な解析. 2. 脂肪酸組成の測定(脳内:海馬,線条体,前頭皮質 等). 3. 脳内モノアミンの測定(視床下部,海馬,線条体,前頭皮質). 結果の概要としては,人工乳中のn-3系脂肪酸が脳内モノアミン産生とその代謝回転率を安定化させて,不安レベルを軽減している可能性が考えられた. また,新生仔の成長に伴って増減が観察された海馬のMHPGや視床下部のドーパミンが,n-3系脂肪酸欠乏群ではその変化が鈍く,n-3系脂肪酸の欠乏により情動形成が遅延もしくは抑制されていることが推察されている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度の実施項目については,大きな問題が生じることもなく,概ね予定項目を実施することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は,これまでの行動試験,脳内脂肪酸組成,脳内モノアミンの測定結果の精査と各項目間の関連性の検討を行う. 研究成果の内容により,学会発表,論文投稿への展開を図る.
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