2015 Fiscal Year Research-status Report
メタボリックおよびロコモティブシンドロームに対する食事・運動療法に関する研究
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15K00852
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
山田 哲雄 関東学院大学, 栄養学部, 教授 (90200724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 明 女子栄養大学, 栄養学部, 教授 (70171733)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | メタボリックシンドローム / ロコモティブシンドローム / 食事療法 / 運動療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
メタボリックおよびロコモティブシンドロームに対する食事・運動療法の有効性を明らかにすることを目的として、血液および尿中の関連検査項目の一過性の変動に及ぼす食質と運動の影響を検討した。 女子大学生8名を被験者として実験1(①普通食、②脱脂粉乳添加食、③普通食+低強度運動、④脱脂粉乳添加食+低強度運動)を、男子大学生6名を被験者として実験2(①普通食、②脱脂粉乳添加食、⑤普通食+高強度運動、⑥脱脂粉乳添加食+高強度運動)を実施した。①普通食実験では、被験者に体重維持レベルの規定食を摂取させた。体重60kg用の食事を摂取した被験者の場合、②脱脂粉乳添加食実験では、被験者に対して脱脂粉乳を朝食・昼食・夕食時に各々牛乳200ml に相当するエネルギー分(402kcal/日)だけ摂取させ、等量のエネルギーに相当する分の普通食の量を減らした。運動負荷実験では、被験者に自転車エルゴメーターによる低強度運動または高強度運動を、休息を挟みながら負荷した。付加エネルギー消費量は、402kcalとした。③普通食+低強度運動と⑤普通食+高強度運動の各実験では、運動による付加エネルギー量の補充を行わなかった。一方、④脱脂粉乳添加食+低強度運動と⑥脱脂粉乳添加食+高強度運動の各実験では、普通食に加えて脱脂粉乳を402kcal/日だけ追加摂取させた。 各々の実験で、早朝第2尿と午前・午後・翌朝までの夜間の尿を分割して採取した。また、夜間尿採取後の空腹時に血液を採取した。 糖・脂質代謝では、血清インスリン値と尿中CPR排泄量が脱脂粉乳添加食摂取により有意に高値または高値傾向を、両項目と血清トリグリセライド値が運動負荷により有意に低値または低値傾向を示した。骨・筋肉代謝では、血清コルチゾール値とIGF-1値について検討したが、両項目とも脱脂粉乳摂取または運動負荷による明らかな変動を示さなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度の研究では、メタボリックおよびロコモティブシンドローム対策の観点から、[普通食]、[脱脂粉乳添加食]、[普通食+運動]、[脱脂粉乳添加食+運動]の4種類の条件を設定して、低強度または高強度の運動負荷実験を実施することが計画されていた。 当初、同一被験者で低強度運動負荷実験と高強度運動負荷実験を実施することが予定されていたが、実験回数が多いために低強度運動負荷実験を女性の被験者で、高強度運動負荷実験を男性の被験者で実施した。実験の内容については当初の計画が実行され、いくつかの知見が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究が平成27年度に概ね順調に進展したことを受け、計画通りに平成28 年度には両シンドロームに対する低強度運動に着目した実験を、平成29 年度には高強度運動に着目した実験を行う。 本研究の遂行に当たって最も難しい課題は、被験者の確保である。研究代表者の所属先で充分な例数を確保できない場合には、他学科・他学部等でも被験者を募る。また、本研究の性格上、被験者の生活を拘束することが避けられない。そのため、平成27年度に得られた結果を踏まえて本研究の目的を逸脱することがないようにする一方で、被験者の負担が過重にならないよう配慮することについても努める。
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Causes of Carryover |
研究分担者に配分した金額が臨床検査費に充てられ、その残高が516円となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度の研究における物品費に繰り入れ、実験食材料費ほかの消耗品の購入に充てる予定である。
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