2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K00859
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
圦 貴司 関西医科大学, 医学部, 講師 (50330212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
義澤 克彦 関西医科大学, 医学部, 講師 (70548396)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | カンタキサンチン / アスタキサンチン / 乳癌 / N-methyl-N-nitrosourea |
Outline of Annual Research Achievements |
疫学的に乳癌罹患率は欧米で高く、アジア諸国、とりわけタイにおける罹患率は本邦のおよそ2/3と低い。食生活は癌の発生に深く関わっており、アスタキサンチン(As)やカンタキサンチン(Cx)といった海洋性キサントフィルを含む海産資源を多く摂取するタイの伝統的食文化が、乳癌罹患率の減少に関係していることが推察される。そこで、本課題では前年度の予備検討の結果をふまえて、N-methyl-N-nitorosourea(MNU)誘発ラット乳腺発癌モデルを用いて、乳癌の予防に効果的と推察される2種の海洋性キサントフィル(As、Cx)摂取による乳癌予防効果を検証した。3週齢雌Sprague-Dawleyラットに0, 0.04, 0.4%のAsまたはCxを配合した飼料を5週間与えた。一部のラットは7週齢時に乳腺脂肪織を摘出するとともに、AsまたはCx摂取による全身変化を観察した。残りのラットには6週齢時に60mg/kg MNUを腹腔内投与し、20週齢(MNU投与14週後)まで乳癌の発生率を各群で比較した。7週齢時、ラットの乳腺や肝の湿重量に各群差を認めず、組織学的変化もみなかった。MNU投与14週後、最大径が1cm以上の乳癌発生率および1個体あたりの乳癌発生個数は基礎食群(0% As)でそれぞれ91.7%・3.3±0.4個であったのに対し、0.4% As食群では41.7%・1.8±0.3個と乳癌の発生が有意に低下した。ただし、Cxには乳癌抑制効果はみなかった。発癌のイニシエーション・プロモーション期に0.4%Asを摂取すると、その後の乳腺発癌が抑制することが本実験で証明された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アスタキサンチンやカンタキサンチンといったキサントフィルの雌ラットへの摂餌は、発癌剤を投与どのような影響を及ぼすか不明であったが、嗜好性を含めた課題初年度の試験を行ったことにより、課題2年目に計画していた研究内容を完遂することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
1. アスタキサンチンやカンタキサンチンを摂取した直後のラットの乳腺脂肪組織からタンパクを抽出し、乳腺発癌抑制にかかわる分子の変動を検討する。 2. N-methyl-N-nitrosourea投与により発生したラット乳癌の組織切片を作成し、アディポネクチン受容体-1,2といった発癌抑制に関わる因子を免疫組織学的に検討する。
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Causes of Carryover |
当該年度は動物試験に用いた雌ラットの購入と飼育に関する費用として本研究費を使用し、発癌抑制の詳細なメカニズムの解明については次年度に行う予定としている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は乳腺脂肪織から抽出したタンパクの発現を解析する検討や、ラット乳癌の免疫組織学的解析を行う予定としているが、検討過程で使用する各種試薬や組織切片の作成、抗体の購入などの購入に用いる。
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Research Products
(2 results)