2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K00859
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Research Institution | Koshien University |
Principal Investigator |
圦 貴司 甲子園大学, 栄養学部, 教授 (50330212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
義澤 克彦 武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (70548396)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アスタキサンチン / カンタキサンチン / 乳癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
[方法] 3週齢雌ラット90匹を各群18匹ずつ、基礎食群(AIN-76A)、低・高用量Cx・Ax食群の5群に分け、低用量食群には0.04%、高用量食群には0.4%のCxあるいはAxを混合したAIN-76A食を3週齢時から5週間摂取させた。8週齢以降は、すべてのラットに基礎食を摂取させた。6週齢時に各群15匹ずつのラットに対して、60mg/kg MNUを単回腹腔内投与することにより乳腺発癌を促した。触診により乳腺腫瘍の発生を同定し、最大径が1cm以上の乳腺腫瘍が発生するまでに要した期間を記録した。MNU投与14週後(20週齢時)に実験を終了し、すべての触知可能な大きさの乳腺腫瘍を摘出湿重量を測定した後、組織診断を行った。 [結果] キサントフィル摂取量は低用量CxとAx食群でそれぞれ3.9±0.3と4.2±0.5mgであったのに対して、高用量のCxとAx食群では各の41.8±0.7と45.5±0.6mgであり、高用量食群のラットは低用量食群のおよそ10倍のキサントフィルを摂取していた。体重は各群で差を認めず、試験食摂取期間中(7週齢時)に行った解剖では、キサントフィル摂取群のラットの諸臓器に明らかな変化はみなかった。。MNU投与から触知可能な大きさの乳癌が同定されるまでに用した日数(潜伏期間)は、基礎食群が68±3日であったのに対して、高用量Ax食群では73±5日と多少延長傾向をみた。実験終了時(20週齢時・MNU投与14週後)、乳癌の発生率は基礎食群が92%であったのに対して、高用量Cx食群は77%と低下傾向を認めたが、高用量Ax食群では42%であり、基礎食群と比較して発生率の有意な低下をみた (p値=0.02)。発生した乳癌1個あたりの湿重量は、基礎食群が3.9±0.6gであったのに対して、0.4%Ax食群では2.8±0.8gと低下傾向にあった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度は研究代表者の所属機関の移動があったため、本研究課題の遂行に支障をきたした。
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Strategy for Future Research Activity |
本課題は1年間の研究期間の延長が承認されたため、平成30年度は引き続き、研究を継続する。試験食摂餌による乳腺発癌の予防に関わるメカニズムを解明するために、凍結保存した乳腺組織・脂肪織を用いて解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
平成29年度は本課題の研究代表者の所属機関の移動があったため、十分な研究活動ができなかった。平成30年度は引き続き、本課題の研究遂行に取り組む。
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