2018 Fiscal Year Annual Research Report
Study of the effects of n-3 polyunsaturated fatty acid intake on the renal malfunction insalt-sensitive hypertension
Project/Area Number |
15K00869
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
内藤 由紀子 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (80426428)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 高血圧 / 腎臓病 / 多価不飽和脂肪酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性腎臓病(CKD)の新規予防・治療法の開発を目指し、抗炎症、抗酸化ストレス作用を有するω-3多価不飽和脂肪酸(PUFA)摂取によるCKDに対する作用を調べることを目的として研究を進めた。そこで本研究では、疾患予防として取り入れやすいものとしては食品が適すると考え、ω-3PUFAであるα-リノレン酸を豊富に含有する植物油(グリーンナッツオイル、GO)をモデルマウスに投与した。肥満・糖尿病はCKDの原因の一つであることから、1)高脂肪食摂取による疾患進行モデルマウスおよび2)レプチン欠損ob/obマウスを用い、疾患の発症および進行に対する作用を検討した(両モデル動物とも雄性6週齢)。実験1では、対照群には高脂肪食、GO群には0.1w/w%GO含有高脂肪食を6週間自由摂取させた。また、実験2では、対照群にはAIN93G精製粉末飼料を、GO投与群には7w/w%GO含有AIN93G無脂肪精製粉末飼料を6週間自由摂取させた。両実験で実施した、投与最終週の経口糖負荷試験では、対照群と比較して、GO群の血糖上昇の抑制が認められた。また、実験2においては、インスリン抵抗性関連遺伝子の白色脂肪における発現量を解析した。レジスチン mRNAの発現はGO投与群で有意に低下し、TNFa mRNAは低下傾向を示した。一方、血清中のレジスチンレベルには群間差は認められなかった。血清TNF-αレベルは両群とも測定限界以下であった。以上の結果から、GO摂取は血糖上昇を抑制し、またその背景には、インスリン抵抗性ヘの関与があることが示唆された。しかし、メカニズムの解明にはいたらなかったため、CKDのω-3PUFA利用による予防・治療法につなげるためには、さらなる検討が必要である。
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Research Products
(4 results)