2016 Fiscal Year Research-status Report
二重標識水法を用いた身体障がい者の日常生活代謝特性の解明
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15K00876
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Research Institution | Yamagata Prefectural Yonezawa University of Nutrition Sciences |
Principal Investigator |
大和田 浩子 山形県立米沢栄養大学, 健康栄養学部, 教授 (90316414)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 和子 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 国立健康・栄養研究所 栄養教育研究部, 室長 (80202951)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 二重標識水 / エネルギー消費量 / 体組成 |
Outline of Annual Research Achievements |
障がい者支援施設では、栄養ケアの提供に関する科学的根拠の不足が大きな問題となっている。基礎代謝量、1日総エネルギー消費量(二重標識水法)及び身体活動レベルに関する研究は、健常者では小児から高齢者まで行われているが、障がい者では国内外ともにほとんど着手されていない。障がい者の健康管理や栄養ケアの提供については、2009年の障害福祉サービス報酬改定において、個別の障がい者の栄養・健康状態に着目した栄養ケアの提供が栄養マネジメント加算として評価されることになったことから、適切な栄養ケアの提供に必要な根拠データの蓄積が急務である。そこで、本研究では、障がい者 支援施設に入所の身体障がい者を対象に基礎代謝量、1 日総エネルギー消費量(二重標識水法)及び身体活動レベルの特性を解明し、栄養ケアに有益な根拠データを提示することを目的とした。 平成28年度は、障がい者支援施設(2施設)に入所中の身体障がい者、13名(男性:8名、女性5名)を対象とした。二重標識水法による1日総エネルギー消費量の測定期間は、14日間とした。初日(Day0)にベースラインとなる尿サンプルを採取し、基礎代謝測定及び身体計測を実施した。その後、二重標識水を投与し、投与後1日目(D1)、2日目(D2)、14日目(D14)、15日目(D15)に尿サンプルを採取した。食事調査及び生活活動調査は、二重標識水法による1日総エネルギー消費量の測定期間中の平日2日、休日1日、計3日間で実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、平成27年度に確立した研究体制を基に研究を進めた。協力施設については、新規で1施設の協力を得ることができた。対象者については10名を予定していたが、年齢及び服薬の基準に合わない者を除外した後でも、最終的に予定数を超える13名の測定を実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度及び28年度に確立した手順にもとづき、さらに対象者を増やして基礎代謝量測定、1日の総エネルギー消費量測定等を実施する。研究期間の3年間で約25名のデータ収集を目指しているが、この2年間で既に19名のデータ収集を行っている。最終年度となる平成29年には6名以上のデータ収集を目指す。本来であれば幅広い年齢層の対象者を測定することが望まれるが、コスト的に測定人数は制限されるので、45~65歳を中心に対象者をサンプリングする。
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Causes of Carryover |
昨年度の残額があったこと、また、今年度の対象者の体格が想定よりも小さかったため、投与する試薬費用が減額となったことから使用額が減額となった。さらに、今年度の研究協力施設が大学から近距離であったため、交通費も減額となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度は当初の予定よりも対象者を増やす予定である。それに伴い、物品費や人件費・謝金等が増額する予定である。
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