2016 Fiscal Year Research-status Report

塩分味覚と塩分摂取量の関連ならびに保健指導介入が塩分味覚に及ぼす影響の検討

Research Project

Project/Area Number	15K00877
Research Institution	Showa University
Principal Investigator	長谷川毅昭和大学, 医学部, 准教授 (90349100)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	佐々木彰福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 助手 (00749129) 西脇宏樹福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 助手 (20465173) 飯田英和福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 助手 (80749119) 福原俊一京都大学, 医学研究科, 教授 (30238505) 高田俊彦福島県立医科大学, 医学部, 講師 (60456077) 栗田宜明福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 講師 (80736976) 脇田貴文関西大学, 社会学部, 准教授 (60456861) 福間真悟京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (60706703)
Project Period (FY)	2015-04-01 – 2018-03-31
Keywords	塩分摂取量 / 体重増加量 / 後期高齢者 / 健康行動 / 尺度開発
Outline of Annual Research Achievements	平成２８年度は研究対象となるデータ収集、データ・クリーニングおよびデータ解析を主に行った。実施内容は以下の通りである。「後期高齢者における塩分摂取、体重増加における血圧上昇との関連」について検討した。福島県須賀川市は、旧須賀川地区の国民健康被保険者を対象とした健康長寿推進事業を実施している。その一環として行われた①７５歳以上を対象とした健康長寿健診と、②４０歳以上７５歳未満を対象としたウルトラ健診を受診した住民のうち、平成２７年度に実施した健診（平成２７年８月から平成２８年３月）のデータを収集し、データ・クリーニングを行った。平成２７年度の健診受診者は健康長寿健診２９１名、ウルトラ健診３０５名の計５９６名であった。ソルセイブ（SALSAVE、Advantech Toyo Co, Ltd, Tokyo, Japan）による塩分味覚閾値検査、１日塩分摂取量を推定するための尿中ナトリウム濃度検査、尿中クレアチニン濃度検査、問診票による基礎情報の取得などを上記全員に施行した。平成２８年度は健康長寿健診から得られたデータ（２８９人）を用いて後期高齢者における塩分摂取、体重増加による血圧上昇との関連を欠測値は多重補完法を用いて一般線形モデルで解析を行い、結果を得た。後期高齢者における塩分摂取、体重増加からの血圧上昇の両者の定量的関係性が明らかになった。また、「塩分摂取に関わる健康行動に影響する要素を定量的に評価するための尺度開発」のための一般住民へのインタビュー調査を行った。具体的には、沖縄、福岡、兵庫、東京、福島の５カ所で、インタビュアー１名が各都市２名毎のインタビュイーに対し、フォーカス・インタビュー（一人４５～６０分）を行った。インタビュー時の参加者の発言内容からコーディングの手法を用い２０項目の質問項目を抽出した。
Current Status of Research Progress	Current Status of Research Progress 3: Progress in research has been slightly delayed. Reason レセプトデータとの結合、データ・クリーニングに時間を要したため。
Strategy for Future Research Activity	「後期高齢者における塩分摂取、体重増加における血圧上昇との関連」に関しては、得られた研究結果は平成29年6月の米国内科学会日本支部年次総会（於京都）において発表予定である。また、早期に査読付き国際医学雑誌への投稿を目指す。また、「塩分摂取に関わる健康行動に影響する要素を定量的に評価するための尺度開発」に関しては、「抽出した項目をもとに暫定質問紙を作成」、「暫定質問紙への回答データの収集」、「因子分析と尺度デザイン」、「尺度の信頼性の検証」、「問題のある塩分摂取行動のパターンを同定」、「基準関連妥当性の検証」の手順で行い尺度の完成を目指す。
Causes of Carryover	研究計画時には予算計上をしていたソルセイブ（SALSAVE、Advantech Toyo Co, Ltd, Tokyo, Japan）による塩分味覚閾値検査に関連する経費については、平成２７年度分に関しては須賀川市の健康長寿推進事業予算で賄うことが出来たため、次年度使用額が生じ、上記の日本国内各地で実施したフォーカス・インタビュー関連費用を支出した。
Expenditure Plan for Carryover Budget	今後データ解析に使用する統計解析ソフトや、データ管理、論文執筆に使用する文献管理ソフトなどの購入、施設内外でのプレゼンテーションやグループミーティングに使用するハードウエアなど、にも支出予定である。また、各々の研究課題研究に関する研究打合せに関わる旅費や、国内外における学術発表および論文化の際の英文校正費、論文投稿費としての使用が見込まれる。