2016 Fiscal Year Research-status Report
ポーションコントロールプレートを活用した教育効果の評価及び普及に関する研究
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15K00893
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Research Institution | Department of Clinical Research, National Hospital Organization Kyoto Medical Center |
Principal Investigator |
山内 惠子 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究員 (90387910)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂根 直樹 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究室長 (40335443)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ポーションコントロール / CKD重症化予防 / 慢性腎臓病 / 低たんぱく食 / ヘルシープレート / 指導者育成プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性腎臓病の多くは加齢による動脈硬化症や、高血圧、糖尿病などの生活習慣病が関係していることから、高齢化が進むほど患者数は増加し、今日、慢性腎臓病の重症化予防は、新規透析導入者の減少実現、慰労費削減実現のために、大きな課題であるといえる。 しかしながら、腎機能が低下した患者に対しての、低たんぱく食の食事指導はなかなかハードルが高く、低たんぱく食の理解に苦しみ、その実践どもあまり高くないのが現状であるといえる。また、患者自身も今までやってきた糖尿病食や、高血圧食などとの違いに戸惑い、低たんぱく食の理解に苦しみ、その実現度もあまり高くない 平成28年度、我々は慢性腎臓病重症化予防のための指導者教育プログラムの開発に目標を掲げ、愛知県、静岡県において研修会を開催した。その結果、1.慢性腎臓病の重症化予防にたんぱく制限が重要であるという認知は当初より(41点/50点)と高かったが、たんぱく制限に関する知識スコア(7.3点/20点)、食事指導に関する自信度(3.6点/10点)は低かった。2.研修後の測定では、いずれの得点も認知47点・知識 16.9点(正解率37%→85%)自信度5.8点へと有意に改善した。 ヘルシープレートを用いた低たんぱく食は、イラストにあわせて盛り付けることで、たんぱく質10g、エネルギー500~700kcalに管理できるよう考案されていることから、慢性腎臓病の低たんぱく食指導を行う知識や自信度を高め、指導者育成に役立つことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①17年度に準備した教材、質問票、CKD低たんぱく食対応のヘルシープレート専用ランチョンマットを用いた指導者育成セミナーの開催からいくつかの気づき、改善点が明らかとなり、望ましい形への修正を行いに至った。 ②研修会で得られた結果の報告として第59回日本糖尿病学会年次学術集会 (2016年5月.京都)、第4回日本糖尿病療養指導学術集会(2016年7月.京都)、第28回日本糖尿病性腎症研究会(2016年11月.東京)にて、その成果の発表に至った。 ③次のスッテプである患者指導のための研究計画、必要書類、質問票等の準備が滞りなく行われた。
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Strategy for Future Research Activity |
指導者育成プログラム教育を受けた管理栄養士が勤務する協力施設、あるいは地域において、無作為にグルーピングしたCKD患者に対し、ポーションコントロールプレートを活用した栄養指導(PCプレート群)と、通常の栄養指導群(対照群)の2つの方法における、比較介入試験を行い、患者および管理栄養士の負担感を軽減し、タンパク制限の達成度、および、その教育効果を明らかにすることを目的に研究を進めていく。
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Causes of Carryover |
指導者育成プログラム教育を受けた管理栄養士が勤務する協力施設、あるいは地域において、無作為にグルーピングした慢性腎臓病患者に対し、ポーションコントロールプレートを活用した栄養指導(PCプレート群)と、通常の栄養指導群(対照群)の2つの方法における、比較介入試験を行いウ予定であったが、準備が遅れたことによる必要経費を次年度に見送る必要が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年5月に、介入研究の院内の倫理審査も受託され、細かな準備も整ってきたことから、見送った予定を計画通り進めていく見通しがついた。
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