2017 Fiscal Year Research-status Report
唾液および尿中バイオマーカーによる生体リズムと食習慣の評価
Project/Area Number |
15K00895
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
米浪 直子 京都女子大学, 家政学部, 准教授 (70291979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若村 智子 京都大学, 医学研究科, 教授 (40240452)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 食習慣 / 運動習慣 / 唾液バイオマーカー / 尿中バイオカーカー / 生体リズム / 朝食 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】近年では、血液だけでなく、唾液や尿などの非侵襲的に採取可能な唾液や尿中のバイオマーカーが、新たな心理的・身体的コンディションの客観的指標として注目されている。しかしながら、これらの指標は様々な要因の影響を受けることから、活用方法も含めた有用性について検討する必要がある。そこで、本研究では唾液および尿中バイオマーカーを用いて、生体リズムや食習慣、運動習慣の評価を行った。 【方法】①健常な女子大学生を対象とし、起床時から就寝時まで計6回の唾液採取を行い、ELISA法により唾液コルチゾルおよび唾液分泌型免疫グロブリンA(sIgA)の分析を行った。②座位安静または自転車エルゴメーターによる65% VO2max強度の運動を30分間行った後、約600kcalを摂取してもらい、唾液および尿を採取し、ELISA法により唾液および尿中コルチゾル、尿中8-OHdG、クレアチニンの分析を行った。③自転車競技部の男子大学学生を対象とし、運動前後に唾液採取を行い、ELISA法により唾液コルチゾルおよびsIgA分析を行った。 【結果】①健常な女子大学生では、唾液コルチゾルレベルは起床時に最も高く、その後夕刻にかけて急速に低下していく典型的な日内リズムが認められた。しかし、朝食の欠食習慣のある群ではコルチゾル分泌に日内リズムの乱れがみられた。②唾液および尿中コルチゾルレベルは、食事摂取および一過性の運動による影響はみられなかった。③自転車競技部の男子大学生では、唾液コルチゾルおよびsIgAには月間変動がみられ、走行距離が増加した夏季に高値を示した。 【結論】唾液および尿中バイオマーカーを用いて、非侵襲的に生体リズムや食習慣、運動習慣などの生活習慣の評価が可能であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画通り、調査や測定は実施したが、サンプルの分析、データ解析にかなりの時間を要している。人を対象としているので、個人差が大きく、データのばらつきや誤差を確認しながら、慎重に統計処理を行う必要がある。また、再現性についても検討する必要があり、予定していたよりも時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
再度サンプルの分析を行って、結果の再現性について検討し、慎重にデータ解析や統計処理を行う。参考文献などの資料を収集して、研究結果について共同研究者とディスカッションを行い、データをまとめる。学会発表および論文を作成する。
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Causes of Carryover |
研究結果の再現性を検討するため、サンプルの分析および統計処理などのデータ解析を行う必要がある。また、参考文献の収集、学会発表、論文作成を計画しており、これらの費用に予算を使用する。
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Remarks |
2017年10月9日(月)から13日(木)までチェコ共和国の首都プラハで開催された「17th International Nutrition & Diagnostics Conference(第17回国際栄養診断学会)」においてBest Poster Award(優秀ポスター発表賞 準グランプリ)を受賞しました。
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Research Products
(2 results)