2015 Fiscal Year Research-status Report
概日リズムリセット機構におけるグレリン、ニューロメジンUの新たな役割
Project/Area Number |
15K00901
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
田尻 祐司 久留米大学, 医学部, 准教授 (80469361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 研太郎 久留米大学, 医学部, 教授 (10191305)
御船 弘治 久留米大学, 医学部, 准教授 (70174117)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 食行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
体内時計の基本となる概日リズム(サーカディアンリズム)は、光や食事など外界からの刺激によって修正される(リセット機構)。肥満者や肥満動物に認められる食行動異常は、そのようなリセット機構の破綻が一因であり、これまで転写因子などの時計遺伝子を中心に解析されてきたが、ペプチド性因子の関与は不明な点が多い。申請者らは、高脂肪食肥満マウスではグレリン日内リズムの位相にズレが生じていることを見出し、グレリ ンリズムのズレにより概日リズムのリセット機構が狂い、肥満の食行動異常が生じている可能性が示唆されるが、その病因は未だ不明な点も多い。 ニューロメジンU(NMU)は体内時計の中枢である視交叉上核にも存在し、概日リズム調節への関与が示唆されている 。また、NMU遺伝子欠損(NMUKO)マウスは過食のため肥満を呈すことから、NMUは摂食抑制ホルモンであり、グレリンとは相反する作用を有するため、両ペプチドが拮抗的に働きながら概日リズムのリセット機構を形成している可能性は高い。 本年度の研究では次の2点を解明した。①視床下部のNMU発現リズムは,WTマウスにおいて明期に上昇し暗期に低下するという明瞭なるリズムを有する②高脂肪食肥満マウスではそのリズムが完全に逆転しており(明期に低下し暗期に上昇),本モデル動物における明期の摂餌量の増加という食リズム異常の一因である事が示唆された。 グレリンとNMUの両摂食関連ペプチドの関連については,グレリンKO(GKO)マウスにおけるNMUのリズム(通常餌,高脂肪餌)を現在解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
GKOマウスにおける摂餌量、摂餌行動量、エネルギー代謝(呼吸商など)をマウス摂食行動・呼吸代謝解析システム(シンファクトリー&アルコシステム;現有設備)にて解析する予定であったが,まだ行われていない。また,マイクロ・インフュージョンポンプを用いて、GKOマウスにグレリンagonistを投与し日内リズムを再現した際の摂餌行動ならびにNMU動態の解析も未施行である。
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Strategy for Future Research Activity |
遅れている部分に関しては,鋭意遂行する予定である。平成28年度はNMUKOマウスを用いての行動解析やグレリン動態への影響を解明する予定である。
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Research Products
(2 results)