2015 Fiscal Year Research-status Report
時間栄養学を活用した交代勤務者のための食事調査票と指導法開発についての研究
Project/Area Number |
15K00906
|
Research Institution | Department of Clinical Research, National Hospital Organization Kyoto Medical Center |
Principal Investigator |
大原 こころ (津崎こころ) 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究員 (80450881)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂根 直樹 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究室長(予防医学) (40335443)
小谷 和彦 自治医科大学, 医学部, 教授 (60335510)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 時間栄養学 / 交代勤務 / 生活習慣病 / 食事指導 / 食事調査 / 脂質代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
医療従事者や工場などの交代勤務者では,日勤勤務者と比較して,肥満やメタボリックシンドロームのリスクが高くなることが報告されている.さらに,心血管発症リスクが2倍以上高いことも報告されており,これらは最近,時間生物学と栄養学が融合した「時間栄養学」の観点から,不規則な生活リズムが肥満などを引き起こすメカニズムなどが解明されてきた. 本年度は,研究協力施設に勤務する男性の日勤勤務者(40名)ならびに交代勤務者(20名)を対象に,新しく開発した食事調査票を用いて食事や生活パターンの聞き取りの実施し,食事パターンのリスト化を行った.すべての調査期間について記入漏れなく提出が完了した32名が分析対象となった.朝型・夜型質問票(MEQ)の点数と,調査票から得られた起床時刻,朝食摂取時刻,ならびに入眠時刻は有意な正相関が得られたが(P<0.01),1日の最後に摂る食事時刻とは相関が認められなかった(P=0.83).さらに,BMI23kg/m2以上(28名)の食事パターンは,日勤勤務者では平日休日を問わず夕食の摂取エネルギー量が多く,間食の回数も多かった.一方,交代勤務者は日勤勤務者と比して1回あたりの摂取エネルギー量が少ないが,勤務状況によって夜中(0時~2時)に食事を摂る習慣が見受けられた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新しく開発した食事調査票を用いて対象者に記入をしていただいたが,食事指導は受けたいが解析に用いられたくないため同意を拒否する例や,記入漏れや,連続した記載のため結婚式など非日常の生活パターンが入ったことで解析対象に入れることが叶わなかった例があり,最初の協力施設では研究参加者の半分以下しか調査票結果を得ることが出来なかったため.
|
Strategy for Future Research Activity |
協力施設をさらに拡大し,新規食事調査票の妥当性を検討するため対象者を増やすことをまず目標とする.次に,専門的知識を有する管理栄養士などと協力し,対象者への聞き取りなどで集積してきている情報を基に「交代勤務者向け食事指導マニュアル」を完成させる.さらに,医師,保健師,管理栄養士,研究員による講義,グループ支援ならびに個別指導を組み込んだ生活習慣病予防プログラムを日勤勤務者ならびに交代勤務者へ実施し,新しく開発した食事指導法が確立できるよう協力施設側のスタッフとの連携を密に取りながら検討していく.
|
Causes of Carryover |
食事記録の解析対象者数が予定より少なかったため、専門的知識を要する管理栄養士の食事解析に対する人件費が次年度使用額として生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
さらに食事記録の解析対象者数を増やし、専門的知識を要する管理栄養士の食事解析に対する人件費として使用する予定である。
|
Research Products
(8 results)