2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K00907
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
荻野 和子 東北大学, 医学系研究科, 名誉教授 (40004353)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻野 博 東北大学, 理学研究科, 名誉教授 (00004292)
猿渡 英之 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (30221287)
栗山 恭直 山形大学, 理学部, 教授 (50225273)
小俣 乾二 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 助教 (70272010)
渡辺 尚 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (20756522)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 科学教育 / 実験教材 / マイクロスケール実験 / ESD / グリーケミストリー |
Outline of Annual Research Achievements |
1.学会における情報収集・成果発表: 2016年6月に神戸市で開催された第5回JACI/GSCシンポジウム、2017年3月に横浜市で開催された日本化学会97春季年会で情報収集/成果発表を行なった。 2.8月にマレーシアサラワク州クチン市で開催された第24回IUPAC国際化学教育会議(ICCE2016)では基調講演に招かれた。なおこの会議の冒頭で、代表者はグリーケミストリー教育とマイクロスケール実験推進の国際的な活動によりIUPAC化学教育賞を受賞した。これは世界でまだ5名しか受賞していない賞で、本研究の成果が国際的に認められたことを示すものである。 3.代表者らが開発・改良してきたKO-DNPマイクロスケール実験キットを利用し、「持続可能な社会」の概念につながる実験教材を開発した。「エネルギー学習」では、燃料電池を含むいろいろな電池、電気分解を組み合わせて、化学エネルギー、熱エネルギー、電気エネルギー、光エネルギー、運動エネルギーとそれらの相互変換についての実験プログラムをつくった。まずスポイトを電解槽として炭酸ナトリウム水溶液を電気分解する。生成する気体を洗剤液で泡として集め、火を近づけると大音響で爆発する。水の電解で水素と酸素が2:1の割合でできることを示し、大音響の爆発を説明。また燃料電池の実験を組み合わせて、未来の水素社会、持続可能な社会を考える導入とした。上記のプログラムは、沼津市、福島市、山形市、仙台市等各地で小中学生対象の実験教室で、生徒一人ひとりに実験させたところ、生徒の強い興味・集中を喚起すること、深く考えながら取り組むこと、安全に行えることがわかった。 4.教員研修でもこれらの実験を試行した。マレーシア クチン市のUniversiti Malaysia SarawakではICCE2016の一環として 教員学生対象のワークショップに招かれた際にも実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「成果概要」で述べたように、交付申請書に記載した目標はおおむね達成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
1.引き続き「持続可能な社会」の概念の理解につながる実験を開発する。 2.実験教室を通じ、マニュアルの改善をはかる。 3.The 9th International Symposium on Microscale Chemistryを東北大学で開催する。このシンポジウムが我が国で開催されるのは初めてである。このシンポジウムは主として実験ワークショップで構成されるもので、世界でも稀有なシンポジウムである。本研究の成果をこのようなシンポジウムで国内外の著名な化学者や教員、学生に体験・議論してもらう。国内外の新しい環境にやさしい実験のシンポジウムは、これらの実験の普及とさらなる展開に役立つ。
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Causes of Carryover |
1.分担者は国内学会出席を予定していたが、所属組織の用件のために出席できなかったため。 2.実験マニュアル改良のために実施した実験教室の日程のため効率的に器具・試薬を使用できたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
29年度に予定していた国内シンポジウムを国際シンポジウムに拡大することにしたので、当初の計画よりかなり多額の経費が必要である。その費用の一部にあてる。
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[Presentation] 電気分解と電池2017
Author(s)
荻野 和子、荻野博
Organizer
化学実験講座「マイクロスケール実験はたのしい」
Place of Presentation
香川大学教育学部(高松市)
Year and Date
2017-01-18 – 2017-01-18
Invited
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