2015 Fiscal Year Research-status Report
北半球および南半球からの同時観察を利用した小・中学校の学習プログラム作成
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15K00909
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
上田 晴彦 秋田大学, 教育文化学部, 教授 (70272028)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 裕樹 東北公益文科大学, 公私立大学の部局等, 講師 (20348816)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 科学教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究実績としては、以下の2点がある。 ①星空カメラの改良 星空カメラの試作品を用いて、夏季に運用実験を行った。その結果、試作品は耐久性に難があり、長期間の設置に耐えることができないことが判明した。そのためシステムを抜本的に見直し簡素化を図ると同時に、システム全体を覆う壁をプラスチック製のものから金属製のものへ、変更することにした。またそれに伴い全体の重量も増やし、暴風雨の下でも安定して動作するような仕様に変更した。 ②北半球・南半球からの同時観察を利用した教育プログラムの開発 星空カメラなどのインターネット経由で観測するシステムを利用して、月の観察を行う教育プログラムを作成した。その一部は、『インターネット望遠鏡で観測!-現代天文学入門―』(慶応義塾大学インターネット望遠鏡プロジェクト編・森北出版・2016年)に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大きく見ると順調に進んでいるが、星空カメラの南半球における設置場所まで決めることができなかった点が、やや心残りである。その理由は、試作品が思いのほか脆弱であったためである。大幅に耐久性を挙げなければ、野外での長期間にわたる厳しい気候条件のなかで、研究遂行が困難になると予想されたからである。ただし耐久性の問題はほぼ解決したといってよいので、来年度は速やかに設置場所の選定に取り掛かる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年は、国内外への星空カメラの設置を考えている。 星空カメラの設置場所を確定させたうえで、28年度中に現地に行き、実際に装置一式を設置する。具体的には国内に1台、海外に1台の設置を考えている。星空カメラについては耐久性を高めたため、現時点で問題となる課題はほぼなくなった。またそれと同時に、教育プログラムの実施に向けた計画も進める。
平成29年度は、星空カメラを用いた教育プログラムの実践とその効果の検証をおこなう。 完成したシステムおよび教育プログラムを利用して、平成29年度には実際に小学校・中学校において授業実践をおこないたいと考えている。また月の満ち欠け・星の日周運動をWeb上でシミュレーションする補助教材も作成する。そして最終的には、これまで作り上げたシステムと教育プログラムを無料で公開したいと思っている。
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Causes of Carryover |
星空カメラ製作に手間取ったため、現地調査等の時期がややずれこんでしまった。そのため使用額に差が生じてしまった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は現地調査等を行う予定であるので、使用額の差を解消できる見込みである。
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