2015 Fiscal Year Research-status Report
外部センサー接続型携帯端末を用いて利用者自らが課題解決を行う教育システムの開発
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15K00929
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
井上 雅裕 芝浦工業大学, システム理工学部, 教授 (50407227)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | M2M / IoT / 教育システム / プロトタイピング / 外部センサー接続型携帯端末 / イノベーション |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)NPO法人M2M研究会と大学教員と大学院生、学部生による教育・研究推進会議を定期的に実施し、外部センサー接続型端末を用いて利用者自らが課題解決を行う教育システムの開発推進を、産業界、教員、学生の連携で実施した。 (2)M2M/IoT教育用カリキュラムを、文系(保育士、看護師、栄養士)、非ICT系理工系、ICT理工系に分け、それぞれに必要なM2Mに関するセンサー、デバイス、ネットワーク、プラットホーム、アプリケーションの知識体系とモデルカリキュラムを進めた。モデル教育カリキュラムの構築にあたっては、M2M研究会の会員である各系の大学関係者の要望を反映させ、学修教育目標、学修成果の評価、学習時間、教育形式(講義と能動的演習、プロジェクトベースラーニングの組合せ)を設計した。 (3)教育用プロトタイピングシステムを、文系、非ICT系理工系、ICT理工系に分け構築開始する。まず、文系(保育、看護などの職業系)から開始し、当該分野の学生、教員のニーズにそって容易にプロトタイピングができるシステムを設計した。対象となるセンサーの選択、パソコンベースのM2Mゲートウェイと簡単に利用できるクラウドサービスを統合した環境を整備し、ICT専門外の学生がニーズ、アイデアを実現し、イノベーションに参加できる環境整備を進めた。 (4)さいたま市との連携により、プロトタイピング工房を大学内に設立し、さいたま市の中小企業の技術者と学生との連携による、外部センサー接続型端末を用いた課題解決のワークショップ活動を実施した。 (5)教育用プロトタイピングシステムを大学生の教育研究のプロトタイピングに適用し評価した。その対象は、認知症の早期発見システム、災害後の安全経路探索システムなど多様なセンサーを用いたM2M/IoTシステムとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は計画どおり進捗しており、査読付き論文3件、国際会議での発表4件、口頭発表7件を発表している。 NPO法人M2M研究会と大学教員と大学院生、学部生による教育・研究推進会議を定期的に実施し、外部センサー接続型携帯端末を用いて利用者自らが課題解決を行う教育システムの開発推進を、産業界、教員、学生の連携で実施している。また、平成27年度期中から連携研究者として芝浦工業大学中島毅教授の参画を得て、体制が強化された。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)非ICT系理工系のモデル校としては、芝浦工業大学システム理工学部をモデル校とする。本大学は、5学科の学生が協働で問題分析、問題解決を行うプロジェクトベース演習を体系的に実施している。ここで、機械制御システム、環境システム、生命科学、数理科学、電子情報システムの学生が協働でM2Mに関するプロトタイピング行い、カリキュラムの評価、検証を行う。ICT系理工系のモデル校は上記芝浦工業大学以外に、文教大学情報学部を含め複数大学を計画ししている。 (2)高等教育機関(文系)のモデル校での普及展開: 教育用カリキュラムとプロトタイピングシステムを、それぞれの系に適用し評価を行う。文系(保育士、看護師、栄養士)のモデル校として、幼稚園教諭、保育所保育士を養成する課程を持つ、こども教育宝仙大学での適用を計画している。 (3)開発途上国のモデル校での普及展開: 開発途上国の学生が自国の経済的、社会的状況にあったM2Mシステムを構築し、イノベーション創出に寄与できることを目標にする。芝浦工業大学では、東南アジアの工科系大学と連携し、多分野の学生により地域や地球の問題解決を行う国際プロジェクト演習を2013年から実施しており、まず、国際プロジェクト演習への適用を計画する。 (4)中等教育モデル校での普及展開: 文系向け、非ICT理工系の教育カリキュラムと開発システムの適用結果を踏まえ、中等教育向けの教育カリキュラムを整備し、中等教育モデル校へ展開する。
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Causes of Carryover |
電子部品の購入が計画を下回り、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の電子部品購入に充当する。
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