2015 Fiscal Year Research-status Report
文理融合させた色に関する化学教育プログラムの開発と評価
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15K00932
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
今井 泉 東邦大学, 理学部, 教授 (80711390)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 色 / 中学校理科 / 高等学校理科 / 化学基礎 / 化学 / 文理融合 / 化学教育 / 化学教育カリキュラム |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、第1段階として新化学技術推進協会(JACI)、DIC株式会社総合研究所、DICライフテック株式会社と連携して、中学3年生~高校1年生が色を理解するために必要な物理、生物と関連させた化学実験を開発した。具体的には、DICスピルリナパウダーに含まれる色素のフィコシアニン、β-カロテン、クロロフィルaなどを活用した実験である。これにより、大学と化学系企業の連携で、色を科学的に理解するための化学実験が完成した。また、開発した化学実験を中学生、高校生、理科教員を志望する学生に体験させ、実験指導上の問題点を明らかにした。 今回の化学系企業との連携における意義は大きい。JACIを介することで、本研究者が必要とする目的に合った企業(DIC株式会社総合研究所、DICライフテック株式会社)と連携することが可能になった点にある。それにより、色を科学的に理解するための講義、実験、実習、研究所見学を有機的に関連させた化学教育プログラムも開発することができ、当初の計画以上に進展した。今後、化学系企業と連携して教育プログラムを開発する場合のモデルとなる可能性がある。 次に、第2段階として国立歴史民俗博物館と連携して 17~19 世紀の日本と世界の赤色染料などについて、 歴史学や美術と関連させた中学3年生~高校1年生対象の化学実験を開発した。具体的には、植物色素の蘇芳、動物色素のコチニール、ラックを活用した実験である。 以上の研究成果を日本理科教育学会第65回全国大会、Pacifichem 2015、日本化学会第96春季年会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は、第1段階として化学系企業の連携で、色を科学的に理解するための化学実験を開発する計画であったが、第2段階として平成28年度に計画していた歴史系博物館の連携で、赤色についての歴史学や美術と関連させた化学実験も開発した。しかし、第1段階の化学実験を活用した映像教材(日本語版、英語版)の作製が遅れているため、本研究課題の進捗状況について「概ね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は国立歴史民俗博物館と連携して 17~19 世紀の日本と世界の赤色、青色の顔料や染料などについて、 歴史学や美術と関連させた中学3年生~高校1年生対象の化学実験を開発する。また、開発した化学実験を中学生、高校生、理科教員を志望する学生に実施し、実験指導上の問題点を明らかにする。 さらに、平成27-28年度に開発した化学実験を活用した映像教材(日本語版、英語版)を作製する。 以上の研究成果を日本理科教育学会全国大会、ICCE 2016、日本化学会年会で発表する。
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Causes of Carryover |
平成27年度開発の「化学実験を活用した映像教材(日本語版、英語版)」の制作が遅れているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度に映像教材の制作費の一部として使用する。
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