2018 Fiscal Year Annual Research Report
The Development and Evaluation of Interdisciplinary Chemistry Education Programs on Colors
Project/Area Number |
15K00932
|
Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
今井 泉 東邦大学, 理学部, 教授 (80711390)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 色 / 文理融合 / 化学教育プログラム / 化学実験 / グリーン・サスティナブル ケミストリー |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、前年度に開発したペンタ-O-アセチル-β-D-グルコピラノースの加水分解経過を尿検査試験紙の色変化で追跡する実験について論文発表した。また、ラックカイガラムシ由来の樹脂成分および色素成分(本研究課題で過年度に着目した赤色天然色素の中のラック色素)を含むスチックラックを教材化し、日本化学会年会で発表した。具体的には、樹脂状物質から簡易な操作で樹脂成分および色素成分を抽出し、1)樹脂の熱硬化性を利用したものづくり体験、2)樹脂の防水被膜を利用した防水加工、3)樹脂の生分解性の確認、4)色素による染色実験などを通して、プラスチックや色素の性質について探究することができる教材を開発した。スチックラッックは正倉院にも納められており、歴史的な関わりも深い。また、樹脂成分はチョコレートやガムなどの光沢剤として身近である。2019年度には実践結果も含め、その成果を論文発表する予定である。 本研究課題は、化学系企業や博物館などと連携して総合的に色を理解させる文理融合の化学教育プログラムを開発、実施し、中高生に化学に対する見方や考え方を変えさせることが目的である。研究期間内に以下のことを明らかにした。 ①公益社団法人 新化学技術推進協会(JACI)の支援を得て化学企業(DIC株式会社総合研究所,DICライフテック株式会社)と連携し、講義や実験、実習、研究所見学を有機的に関連させ、「DIC スピルリナパウダー」を活用した実験、実習が中心の教材を開発し実践した。 ②国立歴史民俗博物館と連携して18~19世紀の日本の赤色染料について、歴史学や美術(錦絵)と関連させた中学3年生~高校1年生対象の化学実験を開発し、実践した。 ③福井大学と連携し、この日本が誇る超臨界染色の技術を例に、中高生にグリーンサスティナブルケミストリーを認識させる映像教材を制作し、公開した。
|
Research Products
(10 results)