2015 Fiscal Year Research-status Report
情報端末に依存しないオブジェクト指向プログラミング言語の構成主義的学習環境の開発
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15K00935
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Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
鳥居 隆司 椙山女学園大学, 文化情報学部, 教授 (90207663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 健秀 愛知学院大学, 商学部, 准教授 (20441115)
杵淵 信 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (30261366)
田村 謙次 中央学院大学, 商学部, 准教授 (30367635)
川崎 直哉 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (40145107)
安藤 明伸 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (60344743)
大岩 幸太郎 大分大学, 教育福祉科学部, 名誉教授 (90223726)
森 夏節 酪農学園大学, 農学生命科学部, 教授 (90269217)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | オブジェクト指向 / Webブラウザ / クラウド / 学習環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
プログラミング言語を学習するための教材や方法は、非常に多くの書籍やツールがあり、最近では、Scratch、MOONBlock、プログラミン、VISCUIT、Google Blocklyなどのビジュアルプログラミングなどの子ども向けのプログラミング学習環境も増えてきている。我々は、高級言語でありながら低水準の命令も記述が比較的容易なC言語の学習環境をクラウド上に構築し、不特定多数のユーザからの利用によるサーバ保護の面に配慮し、スマートフォンや電子書籍端末といったWebブラウザからの活用も可能とする仕組みを構築しているが、これまでの研究成果を基に、オブジェクト指向言語の実行環境をクラウド上に、演算や表示能力の高くない携帯情報端末からでも利用できることで、いつでもどこでも誰でもプログラミング学習が可能となるプロトタイプの環境の構築を行っている。オブジェクト指向言語の代表的な言語であるJava言語は、コンパイラによって中間言語が生成され、Java仮想マシンによって実行される点が前述のC言語とは大きく異なるため、Java言語の実行を可能とするようにライブラリを拡張し、拡張された機能をそれぞれの専用仮想サーバを通じてアクセスすることで実現を試みた。その結果、ユーザ認証、セッションの管理、コンパイル、実行およびその監視などの処理は、各ユーザからの要求に応じて動作し、構築したシステムの負荷としては、それほど問題にならず、ユーザの要求にある程度応じることができたと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本システムの基本的な仕組みとして、Webブラウザからの要求を受けたサーバ側の制御デーモンは、要求が正当なものであるかを判別し、正当なものであればユーザ認証やセッションの管理の他、コンパイルや実行監視などの機能を持つ各デーモンに内容を割り当て、各デーモンからの応答を待って制御デーモンはそれを要求元に送信することとしている。今回、想定した仮想環境上で、前述の仕組みを動作させることができたと考えられる。また、インターネットに公開する必要があるため、不特定多数のユーザ利用が考えられ、バッファオーバンランによる攻撃などを想定し、コンパイラが生成するオブジェクトにバッファオーバンランなどの攻撃を検出する論理的な判断機能もある程度追加できたと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度に構築されたシステムにおいて、その動作状況を確認し、検証作業を行うとともに、特にeラーニングにおける一斉利用、使用における言語仕様の問題点、教育用のコンテンツの在り方などに関する点について修正や更改作業を行う。また、適切な学習用コンテンツ作成やユーザの使用状況と教育効果に関する検討も行う他、実行中のプログラムとの対話を可能にする機能の実現などの修正を行いつつ、構成主義的な考え方によるツールを言語仕様に含ませ、教育効果について検討および評価を行う。他のオブジェクト指向言語についての同様のシステム開発の可能性について検討する。
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Causes of Carryover |
本システムは、基本的にクラウド上の仮想環境に構築しており、仮想環境の演算能力やディスク装置へのアクセス速度の問題がある。また、本システムは、様々なユーザがインターネット経由で活用することを想定している。したがって、システムの検証を行う端末が非常に多種類となるだけでなく、同じ種類の情報端末であっても、OSの種類やブラウザの種類によっては挙動が異なる。その中でも比較的ユーザが多いものを選択したとしても、その多くを購入することは不可能である。本システムにアクセスするOSやブラウザ、携帯端末によって挙動が異なることは十分想定されたことであるが、システムに修正を加えつつ、比較的ユーザが多いものを選択し入手する必要があるので、当初予定していたシステム検証のための情報端末を購入しなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本研究によって構築されるシステムにアクセスするための様々な情報端末を順次購入する必要があるが、本システムの改良と同時進行で進めるため、それぞれの進行段階により、適切と考えられる情報端末を選定する。具体的には、比較的多くのユーザに活用されているOSの情報機器を比較的早い段階で入手し、その後、順次、いくつかの携帯情報端末を選定していくことを計画している。
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Research Products
(3 results)