2015 Fiscal Year Research-status Report
ブロック状光素子を用いるアクティブラーニング型光技術教育の実践的検証
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15K00939
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Research Institution | Sendai National College of Technology |
Principal Investigator |
馬場 一隆 仙台高等専門学校, 知能エレクトロニクス工学科, 教授 (10192709)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 実験教材 / 光素子 / レーザ光源 / 偏光子 / 透過率 / 屈折率 / 複屈折 / アクティブラーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は,ブロック状光素子を用いた実験・実習の効果を本校(仙台高等専門学校)第5学年の授業において実地に検証するための準備を進めた。なお,ブロック状光素子の素子部のサイズは,当初計画のとおり,学生が取り扱うのに適当でかつコンパクトなサイズとして,光軸に垂直な面について2cm×2cmの断面を基本としている。 先ず,様々なブロック状光学素子の実用化に向けた効率的かつ高性能な素子製作法について検討を行った。レーザ光源は,半導体レーザを用い,どのような向きの直線偏光でも同出力で取り出せるようにした方が学生が取り扱いやすいと考え,円偏光を出力する光源の開発を進めた。用いた半導体レーザは直線偏光を出力するものだったので,円偏光とするにはλ/4板が必要となるが,正規の素子を用いると高価なものになってしまうので,市販の樹脂製品の中で,複屈折を持ち,半導体レーザの波長でλ/4板として機能するものを探して切り出し,試作した光源部の出射端に取り付けることで円偏光を出力するレーザ光原を製作した。また,偏光子は回転機構を用いると高価になる上,学生に調整させることになるので,様々な透過軸を持つよう正方形に切り出したポラロイド板をアクリルブロックに貼り付けることで10種類の偏光子を製作して,それを入れ替えることで10°刻みで任意の直線偏光を取り出せるようにした。 次にこれらのブロック状光素子を用いた実験メニューとして,「透過率の入射角依存性の測定」,「液体の屈折率の測定」,「偏光子の機能の確認」,「複屈折の測定」等のメニューを開発した。これらについては,第4学年の学生に,実際に試作したブロック状光素子を用いて実験を行ってもらい,光学機器メーカーが販売している各種光学機器を用いたのと遜色の無い結果が得られることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ブロック状光素子の開発や改良,それを用いた実験メニューの開発は計画通り進行している。ただし,ブロック状光素子を用いた実験と比較するための,光学機器メーカーが販売している機器を用いた教育データの収集については,当初は今年度中に第5学年の授業の中で実施する予定であったが,学校の行事日程の関係で授業時間の中で実施することができず,一部有志の学生に試行させたのに留まった。平成28年度に実施したいと考えている。また,授業に用いるブロック状光素子を用いた実験キットの量産化の作業は,今年度の研究結果を反映して改良を加えたものについて,平成28年度に実施予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度以降は,ブロック状光素子を用いた実験と比較するための教育データの収集を行うとともに,ブロック状光素子を用いた実験キットを必要数製作し,ブロック状光素子を用いた実験・実習の効果の実地検証を進める。さらに,実地検証の結果を踏まえたブロック状光素子の改良,及び光導波路にも対応できる新しい素子や実験メニューの開発等を進める。
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Causes of Carryover |
平成27年度の計画では,授業に用いるブロック状光素子を用いた実験キットの量産化の作業の補助のため,人件費・謝金として50,000円を計上していたが,平成28年度の研究結果を反映して改良を加えたものについて,平成28年度に実施するよう計画を改めた。このため,これに相当する予算を次年度使用額とすることとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度の計画で計上していた人件費・謝金50,000円と併せて、執行する計画である。
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