2015 Fiscal Year Research-status Report
客観指標に基づいた教材開発・授業構成により質的保証された基礎生命化学授業の開発
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15K00948
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Research Institution | Nara National College of Technology |
Principal Investigator |
石丸 裕士 奈良工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (70270311)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 功次郎 奈良工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (80259910)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 高専教育 / 授業改善 / Q-U |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで、小規模に数クラス単位で実施してきた客観指標である「高校用Q-Uアンケート」を大規模に実施し、統計処理することによって、高専生の特徴を捉え、その結果を教育活動に活かすべく共有できる組織「客観指標を用いた高専生の価値観把握に基づく教育方法改善を目的とした共同研究のコンソーシアム」を立ち上げた。平成28年度中の参加校は、4高専であった。参加校には、代表者を選定して頂き、奈良高専主催の受託共同研究に参加頂く形で本研究に関する秘密保持契約を締結した。これによって、各学校のデータを共有したり大規模に統計処理したりして高専生全体の特徴を捉えること、各高専の特徴を捉えること、各クラスの特徴を捉えること、その結果を参加校の授業改善などに活かすこと、高専全体はもとより、高校生や大学生の教育活動にまで活かすため広く報告することなどが可能となった。 次に、複数高専で実施したQ-Uアンケートの結果を統合させて解析したところ、高校用Q-Uを高専生に適用した場合、因子負荷率が有意に低くて高専生対象として適切とは言い切れない設問項目が、学校生活意欲尺度で3項目、学級満足度尺度で4項目含まれていた。これによって、高校生との類似点や相違点について議論する際、着眼点をどこに置くべきか明らかとなった。また、「承認得点」には「学級との関係」が正の影響を及ぼしており、「被侵害得点」には「友人との関係」が負の影響を及ぼしていた。これによって、授業を実施する上で基本単位となるクラスの状態を改善するための学生指導における優先順位が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
客観指標を用いた高専生の価値観把握に基づく教育方法改善を目的とした共同研究のコンソーシアムを形成し、本研究に関する秘密保持契約が締結できたことにより、高専生のデータ共有や大規模な統計解析が可能となる素地が完成した。また、複数校のデータに基づいて高専生の価値観を把握する上で有用な情報は得られた。ただし、参加校のクラスの状態は似たものが多く、こちらが想定していたような様々な状態のクラスパターンを収集することは出来なかった。今後は、日本高専学会を通じてコンソーシアム参加校を増やしていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
日本高専学会を通じてコンソーシアム参加校を増やし、様々な状態のクラスパターンを収集すると共に、引き続き統計的にQ-U尺度間の相関関係を明らかにして、高専生の価値観を把握する。これによって、授業中にどのような発問や声がけを行うことが有効なのかといった情報を抽出する。次に、休学や退学などに直結する学生のレポート提出状況・単位取得状況などに関する情報と併せて統計処理し、高専向けQ-U尺度のスコアとレポート提出度合いや単位取得状況との相関関係を調べる。これによって、課題の出し方やとるべき個別指導法などについての情報を抽出する。
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Research Products
(5 results)