2015 Fiscal Year Research-status Report
教育用簡易ヘリオスタットの開発とその活用授業プログラムの研究
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15K00950
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Research Institution | Tsuyama National College of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 誠 津山工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (90413830)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 分光実験 / 太陽方位センサー / ヘリオスタット |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は太陽方位センサーの開発と簡易赤道儀でどの程度の太陽光線の固定が可能かを調べ,実際に分光等の実験が可能か確認することを達成目標とした. 遮光板と3つのCdSの組み合わせで粗方位センサーと0.1度程度の精度をもつ方位センサーを構成できることを実証した.実験はセンサーを固定し太陽の日周運動を利用した測定だが,これに駆動系を連動させることで目的を達成できる見通しを得た. また,固定鏡による太陽光線の引き込みと簡易赤道儀を用いた引き込みで太陽光線の移動量を8m先で確認した.昼間は基準となる星による調整が不能なため方位磁石と経度の計器調整のみで±3度程度の極軸方位のずれが予想されるが,実用上問題の無い光線の固定が可能であることを確認した.この結果を受け,太陽方位センサーの精度も当初考えていたものより低いもので対応可能であることが推測された. 実験室に引き込んだ太陽光線をプリズムで分光,レンズで再構成することでニュートンが行った「決定的実験」の再現を安定的に行えることを確認した.また,小型の望遠鏡を光線に挿入してスクリーンに投影することで実験室内で太陽の黒点観察が行えることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の達成目標である太陽方位センサーの基本構成が明確になった.単純な構造と安価な光センサーで実用上の角度精度が確保できることを確認できたことは成果である.また,簡易赤道儀を用いたシミュレーション実験で太陽追尾精度がそれほど高くなくても太陽光線の実験室内利用は実用上問題無いことが判明したのはセンサーや駆動系開発に有利な情報である.
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Strategy for Future Research Activity |
太陽方位センサーの信号をPCで処理をしてミラー駆動系を制御する方式を確定する.赤道儀方式,経緯儀方式,θ-2θ方式の3方式を試み,最適な方式を選択する. 方式が確定した段階で,制御系を小型コントローラー(Arduino)で構成し,駆動電力を太陽電池で賄うことのできる構成に完成させる.最終的には,教室外の日向に置くだけで,方位の調整なしに外部電力も必要なく自動的に太陽光線を教室内へ導くツールを提供する.
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Research Products
(1 results)