2017 Fiscal Year Research-status Report
楽しく効果的なリスク教育アクティビティ開発と市民講師による教育システム構築
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15K00985
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
金澤 伸浩 秋田県立大学, システム科学技術学部, 准教授 (40315619)
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Project Period (FY) |
2015-10-21 – 2020-03-31
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Keywords | リスク教育 / リスクリテラシー |
Outline of Annual Research Achievements |
市民が確率の概念であるリスクの考え方を理解し,対応を自ら判断できるようになること,合理的かつ多様性を受け入れる社会を実現させることを目的として参加型の効果的なリスク教育プログラムの整備と市民講師の育成を目指している。 本研究は研究代表者が(社)日本リスク研究学会のリスク研究タスクグループメンバーや民間の環境教育団体と連携協力しながら(1)リスク教育教材(アクティビティ)の開発とアクティビティの検証,(2)プログラムの効果の検証,(3)市民講師の育成と体制の構築に取り組む。リスク教育プログラムのマニュアルとなるアクティビティ集の制作と市民講師の育成を5年かけて行っていく計画で、本年度は3年目であった。 本年度は,プログラムの効果検証に用いるリスクリテラシー尺度を測定するためのアンケート票の制作に注力した。129問,500名のウェブアンケート調査を行い,尺度の絞り込みを行った。住宅環境リスクとリスクリテラシーの関係,基準値に対するリスク認知が明らかになるなど調査データからいくつかの知見は得られたが,メディアリテラシーをはじめとしていくつかの尺度に不安定なものもあり,来年度に引き続き調査研究を行うことにした。 アクティビティ開発に関しては,昨年度までの開発プログラムの修正,新たなアクティビティの制作検討を行った。講師育成に関しては,日本リスク研究学会年会においてこれまでに製作した参加型リスク教育プログラムの体験会と保険学におけるリスクを比較するワークショップを開催し,裾野を広げる活動を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
リスクリテラシーの測定尺度を決定するためのウェブアンケート調査の結果,一部に予想に反する結果が生じたため,再度検討を行う必要が生じた。そのため,アンケート票の完成時期が延びている。しかし教材開発に関してはコンスタントに研究が進んでおり,全体としては僅かな遅れと判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き(1)リスク教材の開発、(2)プログラム効果の検証、(3)市民講師の育成と体制の構築、に取り組む。ウェブアンケートを再度行い,リスクリテラシー尺度を決定するほか,リスク教育プログラムをまとめたアクティビティ集の制作に取り組む。
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Causes of Carryover |
(理由) ウェブアンケート調査を他の研究と合同で行ったことによる経費の節減と,年度末に行う予定の打ち合わせが次年度になったことによる。本研究は5年計画であり,全期間を通じて適切に使用したい。 (使用計画) 次年度は,物品費38万円,旅費25万円,人件費謝金10万円,その他7万円で申請していた。研究を進める中で打ち合わせのための旅費が多くかかっていることから,今年度の繰り越し額は主にアンケート制作に関わる打ち合わせ用の旅費に用い,また物品費を他の予算でまかないアクティビティ編集などに必要なその他の経費に充てる。
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