2017 Fiscal Year Research-status Report
科学リテラシー教育の応用によるグローバルシティズンシップ育成モデルの実証的研究
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15K00998
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Research Institution | Kobe College |
Principal Investigator |
三宅 志穂 神戸女学院大学, 人間科学部, 教授 (80432813)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | シティズンシップ / 高等教育 / 科学意識 / 生物の環境問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,学習者としての大学生がグローバルシティズンへと成長するしくみについて事例調査,理論的考察を踏まえた研究と,実証的検証(実践)に基づいてプログラムの構築することを目的としている。本年度は,これまでパイロット実践を行ってきた「野生動物と人との共存」について,本実践と教材開発・実証に取り組んだ。教材としては,女子大学生にも手に取りやすい「絵本」に着目して,特に現代的課題を提起する「野生動物と人との共存」に関連するテーマ,題材の選定を行った。絵本には動物が描かれた作品が数多くあることから,大学生にも現代的環境問題とのリンクがしやすいなどのメリットがあることがわかった。このことから,現代的課題と野生動物をターゲットにして,その動物の生息地にある環境問題や共生問題について理解し,熟考し,態度化できる内容をプログラム要素として組み入れることが可能になると考えられた。さらに,現代的課題と自らの行動のあり方を発見できるプログラム素材も新たに開発した。なお,プログラム開発の対象は理系/非理系問わず参加している授業科目のほか,理科教員養成科目にも応用して検証を試みた。研究成果は次の国内外の学会において報告した。Annual Conference of Australasian Science Research Association (ASERA)2017(オーストラリア・シドニー:6月),日本科学教育学会年会(香川大学:8月)および研究会(岐阜大学:6月),European Science Education Research Association国際会議(アイルランド・ダブリン:8月),World Environmental Education Conference(カナダ・バンクーバー:9月),日本理科教育学会全国大会(福岡教育大学:8月)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
予定していた事項がすべて円滑に達成できた。また,国内外における成果の公表も予定以上に進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの成果と資料を分析して,プログラム実践を進めていく。プログラム実践による知見をふまえ,有効性の実証性を確実に進展させるとともに,プログラムの修正点についてもさらに洗い出していく。社会の担い手となっていく大学生の価値規範や行動規範に効果的に結びつけていくための教授方法や教材開発の研究としてさらに社会的・学術的な公表をすすめる。そのための環境・設備についても計画的に整備していく。
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Causes of Carryover |
調査および実務的専門家とのディスカッションの予定(北海道・旭山動物園)が,日程の都合上かなわなかったため,次年度に予定することとなった。同園での実務専門家とのディスカッションを2018年度に実施するか,または,最終年度となることから成果公表・社会的貢献を重点的に視野に入れた研究計画をすすめたい。
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Research Products
(6 results)