2018 Fiscal Year Research-status Report
科学リテラシー教育の応用によるグローバルシティズンシップ育成モデルの実証的研究
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15K00998
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Research Institution | Kobe College |
Principal Investigator |
三宅 志穂 神戸女学院大学, 人間科学部, 教授 (80432813)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | シティズンシップ / 高等教育 / 環境倫理教育 / 科学教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,学習者としての大学生がグローバルシティズンへと成長するしくみについて事例調査,理論的考察,実証的検証(実践)に基づいて構築することを目的としている。本年度は,これまでにパイロット実践を繰り返し行ってきた「野生動物と人との共存」教材の開発手法と評価の方法について成果をまとめ,査読付き論文の執筆を行った。また新たな教材開発と実践も手がけた。 シティズンシップとして重要な観点となる環境倫理教育をベースとする科学絵本の開発と演示を含むプログラム開発に取り組んだ。そのために科学絵本の特色を明らかにし,その性質をとりいれた幅広い年齢層の人々が手に取りやすい教材開発を行った。さらに,教材の有効性を主に大学生と近隣の動物園における来園者を対象とした実践を行った。動物を絵本に扱う有効性として現代的課題と野生動物をターゲットにして,その動物の生息地にある環境問題や共生問題について理解し,熟考し,態度化できる内容をプログラム要素として組み入れることが可能になる点があげられた。研究成果は次の国内外の学会において報告した。International Organization of Science and Technology Education (IOSTE)2018(マルメ・スウェーデン,8月),日本理科教育学会(岩手大学上田キャンパス,8月)。これらの論文誌が発行されている。さらに,査読付き論文として日本科学教育学会の発行する『科学教育研究』に1編が掲載された。 なお,最終年度にあたり研究総括のために海外の専門家(環境倫理と科学教育)とのディスカッションを試みる旅程を組んでいたが,相手方の都合によりキャンセルとなった。来年度に持ち越して,再度ディスカッションの機会を得たい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
審査付き論文として成果を公表できた。動物園における実践を通した教材とプログラム開発ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度に予定していた専門家とのディスカッションがキャンセルになった。今後,本研究の科学教育における位置づけを明らかにしていくために,専門家とのディスカッションや国際学会で報告することを視野に入れて進めていきたい。
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Causes of Carryover |
本研究の成果について科学教育研究領域での位置づけを確認するために専門家とのディスカッション(環境倫理・科学教育学を専門とするロンドン大学教授)を計画していたが,相手の都合でキャンセルになった。2019年度に再度訪問を予定したいが,都合がつかない場合は国際会議での報告に切り替えるなどして本研究の成果の総括をはかりたい。
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Research Products
(3 results)