2016 Fiscal Year Research-status Report
高専における制御工学授業内 in situ 型演習がもたらす意識変化について
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15K01003
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Research Institution | Fukui National College of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 匡 福井工業高等専門学校, 電気電子工学科, 教授 (10225964)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 教材開発 / 工学教育 / 制御工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では “in situ”型演習を制御工学に導入し,演習実施前・後の意識変化を調査することを目的としており,平成27~28年度は “in situ”型演習教材の開発と演習システムの構築を行い,平成29年度は開発した教材,構築した演習システムを用いて実際に演 習を行い,演習が意識変化に及ぼす影響について調査・分析を行う計画を立てた. 昨年度,試作にあたって小型化を再重要視したが,演習用教材として用いることを考えると,メンテナンスの観点からパーツを入手しやすいものに置換すべきである.そこで複数のマイコンボードおよびモータドライバ基板を用いて検討を行った結果,より汎用性の高い,入手容易なものを用いて移動体を構成することができた.制御基板を機構部に組み込み,設計したディジタル制御器を実現するプログラミングの開発を行った.演算処理装置にプログラムの書き込みを行い,センサとモータの連動等,試作機の動作を確認した.初年度試作機と同等の性能を有しつつ,より入手が容易なパーツに置換することができた. 次に移動機構であるが,リンク機構を用いた場合,特に小型化する場合に強度の確保が難しく,演習用教材として用いるとトラブルの原因となり兼ねないことが昨年度の課題として残った.制御工学に“in situ” 型演習を導入することが本研究の主目的であり,リンク機構の学習はあくまでも付加的であることから,“in situ” 型演習教材の移動機構を車輪式とすることが適当であると判断した.これを受け,車輪型小型移動体の試作を行った. 製作過程そのものを演習に取り入れる場合,組み立ての難易度設定が問題になる.特に超小型モータと基板の接続については,コネクタを利用する方法,基板に圧着させる方法,基板に予め装着しておく方法など複数の方法を検討した.これについては結論が出ず,課題が残った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度はマイコン基板やモータドライバ基板に小型モジュールを用いることで当初計画の仕様を満たす試作機を作ることができたが,演習用教材としての適性を向上させるために使用パーツの再検討が不可避であること,移動機構の変更など計画の微修正があった.今年度は初年度の課題を概ね解決することができたが,移動体の仕様を見直したことに鑑み,今年度予定の演習システムの開発を次年度の検討課題としたため,進捗状況を(2)とした.
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Strategy for Future Research Activity |
試作機をもとにした複数のコンテンツによる設計ガイド,自己点検のための教材を含む in situ 演習システムを構築し,試作機を含めた演習システムの効果について総合的に検討する.
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Causes of Carryover |
初年度,昨年度に使用予定のマイコン基板,モータドライバ基板,回路素子,加工用具,および教材コンテンツ作成にかかる作業の一部を今年度の継続検討事項としたため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
初年度,昨年度に使用予定のマイコン基板,モータドライバ基板,回路素子,加工用具,および教材コンテンツ作成にかかる作業の一部を今年度の継続検討事項としたことに伴う必要物品購入のための使用を計画している.
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