2015 Fiscal Year Research-status Report
学校・幼稚園の先生を自然観察の名人にする学習プログラムの開発研究
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15K01008
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Research Institution | Kanagawa Prefectural Museum of Natural History |
Principal Investigator |
佐藤 武宏 神奈川県立生命の星・地球博物館, 学芸部, 専門学芸員 (30280796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 公則 神奈川県立生命の星・地球博物館, 企画情報部, 主任学芸員 (70300960)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 自然観察 / 自然あそび / 小学校 / 幼稚園・保育園 / 教材開発 / 博物館 / 貝殻 |
Outline of Annual Research Achievements |
自然や身近な動植物に接することを目的とした幼稚園教育、自然科学の基礎教育が施される学校教育において、教員自身が自然とどのようにふれたらよいのかが解らないという問題点が指摘されている。そこで、博物館が自然観察や室内実習のノウハウを学校に提供し「先生を自然観察の名人にする」ための学習プログラムを開発することを目的として、研究を実施した。 幼稚園教諭・保育園保育士、自然観察や自然あそびを教育・保育の現場に取り入れている先駆的な指導者、研究代表者、研究協力者による情報交換会を隔月で定期的に開催し、自然観察や自然あそびが教育的にどのような効果を持っているか、子どもたちの発達にどのような影響を与えるかについて検討、分析をおこなった。また、この情報交換会の場において幼稚園教諭・保育園保育士に対して聞き取り調査をおこない、教育者・保育者自身の自然観察や自然あそびの経験がどのように教育・保育に反映されているのかを分析した。その結果、自身が子どもの頃に経験した自然体験と、教育者・保育者になってから教育・保育の現場で自然を取り扱うことの間には関係があることを確認した。 幼稚園教諭・保育園保育士を対象とした講演会を開催し、幼稚園・保育園における生きもの飼育の方法やその意義について解説をおこなった。講演会の前後にアンケート調査をおこない、講演会などを通じて情報を得ることにより、教育者・保育者自身の自然や生きものに対する意識の変化を読み取ることを試みた。 博物館で実施している、特に貝殻を中心とした自然観察や室内実習を、小学校における教科教育に提供することを想定し、効果的な時間配分、提供するプログラムの内容と資料、具体的な指導プログラムのマニュアル製作などについて検討をおこなった。検討した結果については報告論文にまとめてその内容を公開した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画を1年ごとに区切り、現状分析(Research)、企画(Plan)、開発(Develop)、試行(Check)、公開普及(Act)の年と位置づけた。平成27年は現状分析の年に当たるが、充分な現状分析がおこなわれたと認識している。当初、教育プログラムを実施するためのフィールド選出およびそのためのフィールド調査を予定していたが、フィールドについてはプログラムの企画と一体化して実施したほうが良いと判断し、研究計画を微修正したが、全体としてはおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に従って研究を遂行する予定である。 平成29年度は、(1)教育プログラムを実施するためのフィールドの選出、(2)フィールド選出のための野外調査、(3)先駆的に自然観察や自然あそびを取り入れている小学校・幼稚園・保育園の視察と内容の精査、(4)教育プログラムの方針決定などを実施する予定である。
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Causes of Carryover |
当初、フィールド調査の大部分を平成27年度に実施することで計画をしていた。しかし、フィールド調査は平成28年度にプログラムの企画と一体化して実施したほうが良いと判断し、平成27年度は聞き取り調査などを優先して実施した。そのため、旅費や調査に必要な物品の購入費が平成27年度から平成28年度に回ることになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究全体のスケジュールの中で、順番を入れ替えたことによる助成金の使用順番の前後によるものであり、研究計画の微修正の大局的な影響は無く、全体として研究はおおむね順調に進展している。平成28年度以降、入れ替えた順番にしたがって順次助成金を使用していくため、平成28年度、29年度の間には当初計画に沿った額に戻るものと予想される。
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Research Products
(2 results)