2015 Fiscal Year Research-status Report
盲ろう者の歌唱支援のための触覚フィードバック音声ピッチ制御システムの実用化研究
Project/Area Number |
15K01015
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
坂尻 正次 筑波技術大学, 保健科学部, 教授 (70412963)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 触覚ディスプレイ / 盲ろう / 触覚フィードバック / 音声ピッチ / 歌唱 / 聴覚障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度においては、新触覚ディスプレイに対応した触覚刺激呈示システムの整備をおこなう計画であった。新触覚ディスプレイは、点字ディスプレイとして市販されているもので32行×48列の刺激ピンが2.4mmピッチで配置されている。これまでに使用していた旧触覚ディスプレイとは呈示ドット数と解像度が異なるので、これに対応した触覚刺激呈示システムの確立が必要となっていた。 具体的には、次のようにしてシステムを整備した。配置されている触覚ディスプレイの触知ピンは32行42列なので、横方向をx、縦方向をyと定義し、x方向に48ドット、y方向に38ドットの触知ピンが配列されていることになる。縦方向では、yの1ドットを半音として縦方向に2オクターブ分の音階を呈示できるようにした。オクターブをユーザに呈示するために基準音階を左端2列に呈示し、そのすぐ右側の2列に目標音階を呈示した。ユーザは、この目標音階と同じyの高さになるように発声する。ユーザが発声した音高は目標音階の右側に呈示され、既定値では1秒間に4ドットの速さで右側にスクロールする。ユーザが発声した音声はリアルタイムに処理され触覚ディスプレイに呈示されるので、ユーザは目標音階と自身の音高を確認することができる。目標音階と自身の音高とに違いがあれば触覚フィードバックにより音高を調節することができる。本システムには、設定した目標音階とユーザが発声した際の音高のデータ等を記録する機能も付加されている。新触覚ディスプレイに対応するために開発した本システムを評価し、旧触覚ディスプレイを用いていた旧システムと同等程度の正確性でユーザが歌唱できることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度の研究では、当初計画通りに新触覚ディスプレイに対応した触覚刺激呈示システムの整備をおこない、従来使用していた旧触覚ディスプレイを用いたシステムと比べて十分な機能が確認できたことから、平成27年度の実績として概ね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度以降においては、整備した本システムにより訓練効果の検証をおこなうとともに、本システムにより触覚ディスプレイの呈示面積が大きくなったことを活用した新たな触覚呈示方式を検討していく計画である。
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Causes of Carryover |
平成27年度に実施する予定であった評価実験の一部と国際会議発表論文の英文校閲をおこなわなかったためにこれらの費用が未使用となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度においては、平成27年度に実施予定であった評価実験を実施し、また、国際会議発表論文の英文校閲をおこなう予定である。
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Research Products
(5 results)