2016 Fiscal Year Research-status Report
アジアの教育における「21世紀型スキル」育成のためのICT活用に関する比較研究
Project/Area Number |
15K01017
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山口 しのぶ 東京工業大学, 学術国際情報センター, 教授 (40345369)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 幸彦 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 准教授 (90220350)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 21世紀スキル / ICTと教育 / アジア太平洋地域 / 参加型データベース / 教育データベース |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,アジア地域において,「21世紀型スキル」の育成のためにICTが教育現場にどの様に導入・活用されているかの国際比較を実施する.共通点・相違点を整理し,各国の専門家との議論のもと,その利点と留意点を分析し,効果的な方法論を実践的に検討することを目的としている.今年度は,「21世紀型スキル」育成のためのICT活用に関する分析を以下のように実施した. ユネスコバンコク事務所との協働のもと,前年のアジアの国々における国別分析をもとに,アジア太平洋地域における「21世紀型スキル」の在り方,教育政策における傾向を地域報告書として分析した。具体的には,ユネスコバンコク事務所の分析フレームワークを活用し,1)戦略的教育政策文献や,2)教育財務計画書,3)教育分野におけるICTの導入・活用状況,4)カリキュラムおよび教科書,5)教授法の多様性,及び6)教員研修計画・内容,7)評価法,に分類された内容を,分析,比較した.地域報告書は,各国の教育専門家,代表者からのフィードバックを反映し,ユネスコのe-publicationとして掲載されている. 2016年10月には,ユネスコ主催のUNESCO-KEDI Asia Pacific Regional Policy Seminar が韓国ソウルで開催され,アジア太平洋地域10カ国の教育専門家が参加した.21世紀型Happy Schools for Happy Educationスキルを重要視した教育の在り方,Happy Schoolの定義付け,Good Practice,課題等が議論された.日本からは,秋田県を中心とした21世紀型スキルの教育計画・活動への導入法、事例を含めた実施状況、留意点や今後の課題が共有された.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の予定通り,前年度の国別調査報告書をもとに,アジア太平洋地域における「21世紀型スキル」の導入に関する分析結果が,地域報告書が完成し,ユネスコのe-publicationとして掲載されている.
|
Strategy for Future Research Activity |
前年度同様,ユネスコバンコク事務所で構築している教育政策情報ポータルの活用の拡大を目指し,テクニカルアシスタンスを提供する.活発に利用されていない理由としては,情報の分類方法が複雑であり,検索が困難である点が挙げられており,技術的にも内容的にもユーザーフレンドリーなデータベースの実現を目指す.また,持続可能なデータベース構築のため,利用者が新たな情報を追加することができるシステムの開発を目指す.また,このデータベースはユネスコ地域事務所の情報ポータルに統合され,ユネスコ地域事務所担当者によって維持管理される.また,本データベースは本調査の結果だけでなくユネスコバンコク事務所が現在実施中の関連プロジェクトの成果なども統合され,幅広い活用が期待される.2017年1月時点で427名の教育専門家が登録し,データベースへの登録文献数は255となっている.
|
Causes of Carryover |
これからのデータ収集に関する協力の可能性を議論するための出張費として繰り越す。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
アジア太平洋地域における21世紀型スキルの教育政策への在り方に関して、他地域の研究機関が興味を示しているため、将来的に、地域を拡大した協働計画がユネスコで進んでいる。データ収集に関する協力の可能性を議論するための出張費に活用する予定。
|