2016 Fiscal Year Research-status Report
協調の認識論的主体性を評価するスクリプト完成課題の開発
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15K01024
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
大島 律子 静岡大学, 情報学部, 教授 (70377729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 栄幸 茨城大学, 人文学部, 教授 (20323199)
舟生 日出男 創価大学, 教育学部, 教授 (20344830)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 協調学習 / アクティブラーニング / 評価 / 測定法 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に試作した協調のスキルを測定するスクリプト完成型課題「CSSER(Collaboration Scenario-based Scale for Emotion Regulation)」について,測定法としての妥当性が示されたことをうけ,当該年度では以下の2点に重点的に取り組んだ. 1.CSSER評定ルーブリックの精度を上げるための問題点の導出 CSSERで得られた評定値と実際の協調学習活動の観察データの比較を行い,ある程度の正の相関が見られたものの十分とは言えない結果となった.そこで,その差分が大きい学習者について,詳細な分析を行った.その結果,記述量に起因する問題と協調学習活動時に編成したグループにおけるダイナミズムの問題を導出できた.これらについては,2つの国際会議AERA2017(San Antonio, TX,2017年4月),ERALI2017(Tampere, Finland,2017年8月)にて発表を行う予定である.さらに指示文の違いによる記述量の変化についてデータを収集・分析し,CSSERの指示文と記述量の関係について検討を行った結果も踏まえ,評定ルーブリックの改良方針を決定した. 2.自動評定のための具体的な検討事項の抽出 自動評定化の実現を見据えた当面の研究の取り組み事項を次の通り決定した:a)現時点ではpaper & pencilで実施しているCSSERをコンピュータを用いて実施し,入力データを自動的にcsvファイルとして書き出すためのシステムの開発,b)自動評定の手法として可能性があるものを現在の評定データをもとに試行し,候補を絞り込む,c)評定者用システムが持つべきスペックについて検討を行う.当該年度はこれらa)~c)について並行して取り組んでおり,これは次年度でも継続して行う.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
自動評定の可能性まで探ることができたのは,当初の計画を超えるものである.
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Strategy for Future Research Activity |
研究は順調に進んでいる.今後は,引き続き自動評定の実現に向けていくつかの方法を試行するとともに,データ収集も継続することで,自動評定の精度を上げるための準備を整える予定である. また,評定ルーブリックの精度を上げるための検討を引き続き行い,今年度中にルーブリックを確定することを目指す.
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Causes of Carryover |
他所からも研究費の支援が得られたため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究の進捗が当初の予定より早く進んでいる.次年度は自動評定システムの開発に向けて研究を進めるため,開発のスピードを上げることに力を入れたい.
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