2015 Fiscal Year Research-status Report
身体的な活動の教育効果の評価とそれを用いた授業設計支援とアセスメント支援環境
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15K01040
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
望月 雅光 創価大学, 経営学部, 教授 (70284601)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 美香 岡山理科大学, 工学部, 講師 (30521067)
山下 由美子 創価大学, 公私立大学の部局等, 講師 (90635294)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アクティブ・ラーニング / 自然体験活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
調査を実施するにあたり、調査対象の授業設計を改善することから始めた。特に、調査票を使った調査やインタビュー調査を極力行わなくて済むように、授業中に使うワークシートをあらたに作成し、学生の学修成果を可視化できるようにした。ワークシートは、授業全体の目標設定と振り返り、個々のワークに関しての目標設定と振り返りが行えるようになっている。また、それぞれ学生同士でコメントしあう仕組を取入れた。特に、社会人基礎力については、事前ワークで学生に各項目について検討し、自分の強みと弱みを意識させた上で、目標設定を行わせ、事後のワークでその振り返りを行うようになっている。 授業終了後に事前事後のアンケートやワークシートをまとめた学習ポートフォリオの分析を行い、学生が自分の強みや弱みを意識しながら活動していることを確認できている。これに加えて、AAC&Uのバリュールーブリックのうちチームワークのルーブリックを使い、教員3名でパフォーマンス評価を試み、その教育効果も確認できている。教員から見た評価では、建設的なチームの雰囲気の醸成やチームの話し合いへの貢献において、成長の確認ができた。これは、あまり経験したことがない自然体験型の教育プログラムの提供(シーカヤックをつかったグループワーク)が豊かな学習経験になったと考えている。 大学でのアクティブ・ラーニングを円滑に実施するために、高大接続の一貫として身体的な活動を含むアクティブ・ラーニング型授業を試行した。ここでは、仲間づくりワーク、アイディアの出し方等ついて、授業(4コマ×90分)を実施した。ここでは仲間づくりワークについて、事前事後に生徒に調査票を記入してもらった。その結果、「時間の他者との共有等の項目に有意差があった。また、高校側からは、日頃の生徒とは違う様子を見て、その効果を実感する声があった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
他大学の事例調査については、Web上の資料を調査するにとどめた。現地調査については、調査できる時期等の兼ね合いもあり、今年度は断念した。そこで、創価大学の事例と岡山理科大学の事例調査を前倒して実施した。当初は、教育効果を測定するため、eポートフォリオを使うことを想定していたが、野外での活動のため、日々の入力が困難なため、どこででも記入できるようにワークシートを使ったポートフォリオの作成に切替えて実施した。また、クリッカーを野外に持ち出し、その都度、状況を確認することも計画していたが、予想以上に、ワークに集中する必要があることがわかり、今回は断念した。 調査については、質問紙やワークシートを多用することで、その教育効果の測定が実施できた。しかしながら、研究倫理上の配慮もあり、成績との対応を行うことができなかった。当初は想定していなかったが、アクティブ・ラーニングを苦手とする学生の存在に気づき、高大接続の観点も意識して、プロジェクトアドベンチャーについては、高校での事例を調査した。これについても同様に、教育効果の測定を行うことができた。このように、状況にあわせて、研究方法を見直し、研究を進展させることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初、スマートフォンやクリッカー等を用いて、野外でもデータを収集する方法と取る予定であったが、自然体験活動の中では難しいことがわかったため、紙のワークシートを引き続き活用して対応する。体育館等で行う活動についての調査については、ICTの活用を試みる予定である。記入は紙のワークシートで行うが、それをPDF化し、mahara上で活用できる「飛ぶノート」と呼ばれるシステムの利用も検討し、紙の良さと電子媒体の良さを有機的に融合して、活用できる方策も検討したい。
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Causes of Carryover |
他大学の事例を訪問調査することができていないため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
訪問調査を実施するための旅費にあてる
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Research Products
(4 results)