2016 Fiscal Year Research-status Report
疑似学習者との協同演習を可能とするIPネットワーク構築演習支援システムの開発
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15K01046
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
井口 信和 近畿大学, 理工学部, 教授 (50351565)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | IPネットワーク構築演習 / 疑似学習者エージェント / 協同演習 / 仮想マシン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,これまでに開発したIPネットワーク構築演習支援システムを用いて,疑似学習者エージェント機能を組み込むことで,エージェントを共同学習者とした協同構築演習を可能とする演習支援システムの開発研究を目的とする. 計画している具体的な開発機能は,①IPネットワーク構築技能を持つ疑似学習者としてのエージェント機能,②協同構築演習支援機能,③協同演習自動採点機能の3つである.平成28年度は,②協同構築演習支援機能の要件を定義し,それに従って実装を行った.開発した具体的は項目は,設定進捗管理部,エージェント制御部,エージェントレベル設定部,トラブルシューティング用設定生成部である. 開発した機能によって,学習者の技能レベルにあわせて疑似学習者の行動を制御することができ,学習者の技能レベルに合った協同演習が可能となる.本研究では初級者レベル,中級者レベル,上級者レベルの3つのレベルを規定した.初級者レベルでは,学習者が間違ったコマンドを入力しても,エージェントは常に正解のコマンドを発行する.さらにエージェントは,自身のコマンドの履歴をその都度,学習者に全て公開する.学習者はエージェントが発行したコマンドと手順を観察することで,自身の誤りに気付く.中級者レベルの場合,学習者とエージェントが全ての設定を完了すると,エージェントと自身のコマンド履歴の閲覧ができる.上級者レベルでは,トラブルシューティングの学習が可能である.平成28年度の成果によって,3つのレベルの演習が可能となり,さらに学習者のレベルを自動で判定することが可能となった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は,②協同構築演習支援機能の要件を定義し,それに従って実装を行った.開発した具体的は項目は,設定進捗管理部,エージェント制御部,エージェントレベル設定部,トラブルシューティング用設定生成部である.平成28年度の成果によって,3つのレベルの演習が可能となり,さらに学習者のレベルを自動で判定することが可能となった. これらの成果は,IEEE国際会議,教育システム情報学会,情報処理学会インターネットと運用技術シンポジウムにおいて発表した.現在,これらの内容をまとめ,情報処理学会論文誌への投稿を準備している. 以上より,本研究は当初の計画通りの進捗状況と判断する.
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は,協同演習の結果を自動的に採点する機能を開発する.本機能は,申請者がこれまでに開発した自動採点機能を活用する. これまでに開発した機能は一人の学習者の演習が正しく実施されたかを自動的に判定する機能である.本研究課題は,この機能を活用して,疑似学習者を含む複数の学習者による協同構築演習の結果を自動的に判定する機能を開発する.本機能を実現するために計画している開発項目は,ネットワーク設定ファイル比較部,結果表示部およびアドバイス表示部である. さらに本システムに適した演習課題を自動的に作成する機能の開発も計画している.
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Causes of Carryover |
予定していた国内学会に日程の都合で参加できなかったため,次年度使用額が発生した.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
国内学会旅費と消耗品費で使用する予定である.
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Research Products
(3 results)