2016 Fiscal Year Research-status Report
高専と海外教育機関連携のアクティブラーニングを用いた職業教育の実践研究と成果分析
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15K01048
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Research Institution | SALESIAN POLYTECHNIC |
Principal Investigator |
伊藤 光雅 サレジオ工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (60582921)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | アクティブラーニング / 国際PBL / 異文化理解 / グローバル人材育成 / ものづくり教育 / M2M/IoT / Amazon Web Services / 共同研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.研究の概要 学生の異文化体験の契機としては、「学生文化交流」、「海外インターンシップ」、「国際会議での発表」等が一般的である.本研究では、新機軸として、異文化における教育体験の場を設定し、学生ティーチングアシスタント(TA)が参与する【新たなアクティブラーニングによる教育システム】の1モデルを提示する. 本研究の手法としては、サレジオ高専とモンゴル高専にて(1)理科教室プロジェクト、(2)共同研究プロジェクトの2つのプロジェクト活動を用いた.理科教室プロジェクトは、1.教員によるWeb会議システムを用いた双方向通信でのオリエンテーション、2.学生TAが参与した実習、3.実習後の日本人・モンゴル人学生との協働によるプレゼンテーション発表の3部構成からなる.また、共同研究プロジェクトは、M2M/IoT技術とクラウドサービスを活用した遠隔管理を可能とする水耕栽培システムの構築を日本人・モンゴル人学生により研究を推進した. 2.代表的な研究成果 理科教室プロジェクトは、研究1年目のテーマ内容を産学連携の企画(RICOHコサイエ)に波及させることに至り順調であった.2016年度は、Web会議システムを用いた2国間同時開催とする理科教室を実施した.国内初となる本取組の成果は、工学教育Vol.65,No3にて報告した.また、共同研究プロジェクトは、以前に理科教室プロジェクトへ参加した学生の継続プロジェクトとして実施して、M2M/IoT技術とクラウドサービスを活用した遠隔管理を可能とする水耕栽培システムの構築を目指している.共同研究の初年度は、サレジオ高専2名の学生が卒業研究として、モンゴル高専10名の学生が研究同好会のテーマとして取り組んだ.学生による成果は、卒業研究2本、国際学会含めた学会発表5本と順調であった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理科教室プロジェクトは、国内理科教室と海外出前理科教室研究1年目のテーマ内容を産学連携の企画(RICOHコサイエ)に波及させることに至った.学生による成果発表は、学会発表4本であった.また教員による成果発表は、国際学会・国内学会での発表各1本と、学会誌への投稿論文1本であった.また、理科教室事例集の第2版の出版を今年度出版予定であったが、出版にまでは至らなかった.次年度の出版を目指している. 共同研究プロジェクトは、以前に理科教室プロジェクトへ参加した学生の継続プロジェクトとして、発展的に展開実施した.サレジオ高専とモンゴル高専とは、本プロジェクトに関してWeb会議にて定期的な情報交換を実施した.共同研究の初年度は、サレジオ高専2名の学生が卒業研究として、モンゴル高専10名の学生が研究同好会のテーマとして取り組んだ.学生による成果は、卒業研究2本、国際学会含めた学会発表5本であった. 以上より、本研究は、学会発表総数11本、投稿論文1本であり、理科教室事例集の第2版の次年度持越しもあるが、おおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
2017年度は、下記の4項目に関して取り組む予定である. ・新たなアクティブラーニングによる教育システムのモデル完成.昨年までの理科教室プロジェクトの実施期間中に実施したアンケート調査の解析より、課題点は1.学生TAに対する達成評価基準、2.両国間学生のコミニュケーションであることが明らかになった.本年度は、昨年度までのルーブリック評価からポートフォリオを用いた評価手法を活用する. ・共同研究プロジェクトでは、昨年度までの活動から、1.モンゴル国の電力不安定供給に対する課題、2.モンゴル国においてAWS導入後の通信エラー検証の課題、3.水耕栽培システムにおける発芽状態を確認するための画像処理の課題、4.Xbeeにおけるマルチホップ通信の検証の課題、の4項目が明らかになった.本年度は、課題項目1.を改善するために、学生共同によるハイブリッド型安定電源の製作を目指している. ・理科教室事例集の第2版の出版が昨年度は計画通りに進まなかった.そのため今年度は、年度末に「理科教室事例集、第2版」を製本する. ・本研究の3年間の成果報告は、学会での口頭発表とともに、論文として学会誌へ投稿する.また研究室のホームページを開設し情報の外部発信をする.
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Causes of Carryover |
モンゴルでの海外理科教室へ学生ティーチングアシスタント4名引率予定であった.1名急なキャンセルとなったため(体調不良)、その費用を共同研究のための教材購入にまわしたが、予想した費用よりも格安となったため7857円の差額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
差額の7857円は次年度の物品購入費へ持ち越す予定である.
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Research Products
(13 results)