2015 Fiscal Year Research-status Report
難解な制御工学を実体験により学び直すことができる実験教材の開発
| Project/Area Number |
15K01051
|
|---|
| Research Institution | Maizuru National College of Technology |
|---|
Principal Investigator |
川田 昌克 舞鶴工業高等専門学校, 電子制御工学科, 教授 (90311042)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
| Keywords | 制御工学教育 / メカトロニクス技術者育成 / LEGO MINDSTORMS / MATLAB/Simulink |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
平成 27 年度は，舞鶴高専専攻科の授業「システム制御工学」において，旧型の LEGO MINDSTORMS NXT を利用した「制御工学」の授業を実践した．本科目の受講者は，出身学科（高専本科）が機械工学科，電子制御工学科，電気情報工学科と多岐にわたるが，一度は「制御工学」を受講したことがある．授業では，ひとりひとりが LEGO MINDSTORMS を MATLAB/Simulink で動かしながら，P, I, D 動作の効果の確認や，モデルに基づいた PID パラメータ調整により「数式を駆使して実際のモノを思い通りに動かす」ことの有用性を再確認させた．また，サードパーティの LEGO 用エンコーダ等を併用して製作した回転型クレーン／倒立振子を利用し，現代制御の有用性も体感させた．受講後に授業アンケートを行った結果，受講者のほとんどが LEGO MINDSTORMS を MATLAB/Simulink で動かした実習を併用した授業形態に，好意的な評価であった．
同時に，平成 29 年度に本校のコンピュータシステムの更新が予定されているので，これに合わせて，新型の LEGO MINDSTORMS EV3 に拡張するための準備を行った．回転型クレーン／倒立振子系だけでなく，カート＆ビーム系や台車型倒立振子といった新しい題材を開発した．また， Arduino 互換の MinSegMega を利用することも検討した．
大学・高専等の教員で構成される制御工学教員協議会が主催する平成 27 年度制御工学教育研究集会（平成 27 年 11 月 15 日，神戸大学）に招聘され，「LEGO MINDSTORMS を利用した制御工学教育の実践」という演題で成果を講演した．また，関連書籍や解説記事の韓国語翻訳版を発表した．
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
難解な制御工学を実体験により学び直すため，舞鶴高専専攻科の授業「システム制御工学」において，旧型の LEGO MINDSTORMS NXT を利用した「制御工学」の授業を実践した．実践した教育コンテンツは，レベル 1「PID 制御」，レベル 2「モデリング」，レベル 3「現代制御」で学習すべき標準的な内容で構成されている．そして，教員や受講者が利用可能な授業用パワーポイントと動画を充実させ，BlackBoard で本校以外の一部の国立高専教員も利用可能な状況となった（一般公開は平成28年度以降に予定している）．また，本校の授業アンケートにより実践した教育コンテンツが効果的であることを確認した．
同時に，新型の LEGO MINDSTORMS EV3 へ拡張することを検討した．EV3 で利用可能なモータの特性を調べ，制御用に最適なモータを選定し，回転型クレーン／倒立振子系だけでなく，カート＆ビーム系や台車型倒立振子を開発することができた．
|
| Strategy for Future Research Activity |
まず，旧型の LEGO MINDSTORMS NXT で製作した回転型クレーン／倒立振子系を題材として構築したレベル 1 から 3 の教育コンテンツを，新型の LEGO MINDSTORMS EV3 に移植する．また，授業範囲を超える発展的内容であるレベル 4「アドバンスト制御」についても検討する．そして，書籍の出版および授業用パワーポイント，動画，プログラムファイルの Web 公開の準備を進めるとともに，舞鶴高専専攻科の授業で実践し，その教育効果を検証する．
つぎに，回転型クレーン／倒立振子以外の題材の開発を進める．同時に，Arduino 互換の MinSegMega を利用した電子工作用プラットフォームへの拡張も検討する．
|
| Causes of Carryover |
研究の進捗は当初の計画通りに進んだが，物品購入金額の都合上，若干，金額が残り，「次年度使用額（B-A）」欄が「0」以下にならなかった．
|
| Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は，今年度に引き続き制御工学教育のための教材開発を行うため，次年度使用額も含めた物品費として残額を使用する．
|
