2015 Fiscal Year Research-status Report
高次の知的能力の評価を目的とする非教科型テストの解答方略の類型化に関する研究
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15K01053
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Research Institution | The National Center for University Entrance Examinations |
Principal Investigator |
椎名 久美子 独立行政法人大学入試センター, 研究開発部, 教授 (20280539)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 非教科型 / 空間テスト / 妥当性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,教科・科目別でないペーパーテストに着目して,その妥当性―測ろうとした能力を測れるテストになっているか―について,誤答傾向や解答過程の類型化による検証を試みることである. 今年度は,非教科型テストの一例として,多肢選択式の空間テストの得点と工学系の基礎科目である図法幾何学の修得との関係に着目して,理工系の大学1年生を対象に収集したデータの分析を行った.図法幾何学の修得の指標としては,期末試験の得点を用いた.図法幾何学の講義の前に実施した空間テストの得点と,期末試験の得点との関係について,5年度にわたって収集したデータを分析したところ,両者の間に0.2台前半~0.3台後半の有意な相関がみられた.空間テストの得点分布が高得点に偏った集団での調査だったため,得点分布の範囲の狭さによる影響を補正した値を算出したところ,補正後の相関係数は0.2台後半~0.4台前半になった.複数年度の結果の比較から,相関係数の強さは,図法幾何学の問題の種類には依存せず,各問題の得点のばらつき具合に依存することが示唆された.これらの分析結果をまとめて,第10回Asian Forum on Graphic Scienceで口頭発表して,工学系の大学教育に携わる専門家と意見交換を行った. 今後,高次の知的能力を評価する非教科型テストの開発に関する知見を得るために,各種テストの妥当性検証や解答傾向の類型化に関する事例を収集する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
非教科型テストの妥当性検証や解答傾向の類型化に関する事例の収集に遅れがみられる.
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Strategy for Future Research Activity |
非教科型テストの高得点者と低得点者の誤答傾向の類型化に関する分析を行う.各種テストの妥当性検証や解答・誤答傾向の類型化に関する事例を収集して,分析の参考にする.
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Causes of Carryover |
テストの妥当性検証や開発事例に関する情報収集のために出張した回数が,予定より少なかったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
テスト開発に関するシンポジウムや学会に参加して情報収集を行う.
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