2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K01068
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
大月 一弘 神戸大学, その他の研究科, 教授 (10185324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清光 英成 神戸大学, その他の研究科, 准教授 (20304082)
康 敏 神戸大学, その他の研究科, 教授 (60290425)
柏木 治美 神戸大学, 学内共同利用施設等, 教授 (60343349)
平林 真実 情報科学芸術大学院大学, その他の研究科, 教授 (10508477)
孫 一 神戸情報大学院大学, システム情報工学研究科(系), 助教 (30636725)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 教育工学 / 情報教育 / プログラミング教育 / e-ラーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
近年のソフトウエア開発においては、サンプルプログラムのコピーペースト・開発ツールの利用・既存のライブラリの利用など、プログラムの一部がブラックボックス化された状況でプログラムを作成することが多い。このような状況においては、プログラミング言語の文法を完全に記憶していることよりも、作成したいプログラムを俯瞰的に理解してプログラムを設計する能力が重要となる。本研究では、プログラムに対する俯瞰的な理解力を測るための新しい評価手法を確立することを目的にする。 提案するプログラミング能力評価システムでは、プログラムで作成された画像や動画像(以下、これらをコンテンツと呼ぶ)を2つ提示し、どちらのコンテンツのプログラムが難しいかを学生に判断させるというテストを行うことで、学生のプログラミング能力を測る。 本年度は、次のことを行った。1.コンテンツ開発:同評価システムで用いる試験問題(コンテンツ対)を作成した。2.実験用サーバーシステムの開発、試験問題をWebで受験できるように、サーバーシステムを構築し、20問程度の問題を掲載した。3.提案方式の妥当性の評価実験:専門学校のゲーム系学科、グラフィックス系学科、ソフトウエア系学科の学生のに対して、同システムを使って試験を受けてもらい、その結果を分析した。本年度の研究により、提案方式は、学生のプログラミング能力を測定することに十分有益な方法であることを証明した。また、今後、測定の精度の向上、ならびに、測定できるプログラミング技法や画像処理技術の範囲を増やすためのコンテンツの開発が重要であることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コンテンツ開発、Web用試験システムの作成などのシステム開発は順調に進んでいる。また、提案方式の効果を測るための実験については、コンピュータ専門学校と協力を得ることができた。作成した試験問題に関しては、プログラミングの出力結果であるコンテンツのみからソースを想像することによる勘違いや、関数部分を難しさの判定にいれるかどうかわからないなど今後、試験問題の精度をあけるために必要な検討項目も判明した。 また、受験者(学生)にとってアプリで遊ぶ感覚で試験に取り組むことができ、かつ勉強にもなることが受験者の感想から判明し、負担をかけずに受験・学習できるという特性を得た。 以上のように、本研究課題は順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
H28年度は、まず、同試験システムでのプログラミング能力の測定精度の向上ならびに、測定できるプログラミング技法や画像処理技術の範囲を増やすための改良を行う。 測定精度の向上については、H2’7に行った実験の結果・アンケートを分析したところ出題意図がどこにあるかをいかに受験者に伝えるかが重要であることが判った。そこで、出題意図とは関係のない部分に費やすプログラム部分を単純にするなどの工夫を行うことでコンテンツの改良を行う。改良したコンテンツを用いた試験問題を、プログラミング教育に携わる教員に受けてもらい個々の試験問題の適切さを分析する。 測定できる技法の拡張については、出題に、コンテンツに加えて入力データに表示するという表示手法を新たに考案する。同表示手法を用いた試験問題を開発し、測定できる技法の範囲がどの程度広がるかを分析する。 H29年以降は、作成した試験問題を用いて大学や専門学校の学生らに対して同試験に参加してもらう。カリキュラムの違いや、個々の学生のプログラム経験の違いなどによる学生のプログラミング能力の特性について検討を行う。
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Causes of Carryover |
研究分担者が購入を計画したシステム開発支援用機器の価格が本年度の分担金より高価であったため、次年度の分担金と合算して次年度に機器を購入する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究分担者のシステム開発支援用機器を購入する。
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Research Products
(2 results)