2015 Fiscal Year Research-status Report
ゴールベースシナリオ(GBS)理論によるメタボリック症候群向けeラーニングの開発
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15K01079
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
都竹 茂樹 熊本大学, 政策創造研究教育センター, 教授 (70467869)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 生活習慣病 / eラーニング / 保健指導 / ゴールベースシナリオ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「行動・経験を通じて能動的な学びを促すシナリオ型教材の設計理論」であるゴールベースシナリオ(GBS)理論を取り入れることで、 ・病識に乏しく、生活習慣改善のモチベーションが低いハイリスク者であっても成果が期待でき、 ・低コストかつ時間的・地理的制約も少ないeラーニング(遠隔型保健指導)を開発し、メタボリック症候群の予防・改善、ひいては我が国の医療費削減へ寄与することである。 そこで初年度は、シナリオ作成の準備とパイロットスタディを目的に、18~63歳の男性を対象に、自分の体重を負荷にした筋力トレーニング3種目と「和食・よく噛む・お茶お水」もしくは「和食・よく噛む・とるなら至福の間食」の3課題を1ヶ月間実施した。保健指導は、対面が初回の1回のみ、残りは自宅で各自実施した。継続を支援するために、2,3日に1回の支援メールを送付した。参加者34名のうち、事後アンケートを回答したものが17名。筋力トレーニングについては、65%が週に3回以上実施。食事については、和食の継続が難しいと回答した参加者が65%みられたが、よく噛むについては半数が、お茶お水・至福の間食については7割が実施できたと回答した。腹囲についても7割が減少した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
我が国のメタボリック症候群、ひいては動脈硬化性疾患を予防・改善するためには、 (1)モチベーションが必ずしも高くないハイリスク者であっても興味を抱く、(2)かつ結果が期待でき、(3)低コストかつ時間的・地理的制約が少ない保健指導プログラムの開発が喫緊の課題と考えているが、初年度はより多くの対象者の興味を引きつけるために“生活習慣病の予防ではなく、体を引き締める方法”を紹介する対面型の保健指導を1回実施、その後はメールによる継続支援を行い、参加者の7割において腹囲減少という効果が得られたため。および参加者とのやりとりを通じて、ゴールベースシナリオを作成するにあたって必要なアプローチのヒントも得られたため。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目も対面指導とeラーニングを組み合わせたブレンド型の保健指導を実施して、保健指導のノウハウを蓄積するとともに、初年度の研究成果も活かしてゴールベースシナリオのパイロット版を作成、形成的評価を実施する。
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Causes of Carryover |
初年度は経費をeラーニングを作成せず、対面型保健指導によって基盤となる情報収集を実施したため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度はeラーニング作成に、前年度の予算をあわせて使用する計画である。
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Research Products
(1 results)