2015 Fiscal Year Research-status Report
クリティカルシンキング検定試験用の多次元項目反応理論に基づく適応型テストの開発
Project/Area Number |
15K01088
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
若山 昇 帝京大学, 法学部, 准教授 (90439589)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植野 真臣 電気通信大学, その他の研究科, 教授 (50262316)
宮澤 芳光 東京学芸大学, その他部局等, 助教 (70726166)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | クリティカルシンキング / 項目反応理論 / 適応型テスト |
Outline of Annual Research Achievements |
1.研究の概要:クリティカルシンキングが重要であるとされている。しかし、この領域は広く、能力の測定には時間がかかる。一方、テスト理論では、効率的に能力を測定するため、項目反応理論(以下IRT)に基づく適応型テスト(以下CAT)が利用される。そこで本研究では、クリティカルシンキングの検定試験のため、多次元IRT に基づくCAT の開発を研究目的とし、以下の課題に取り組む。(1) クリティカルシンキングの領域で多次元IRT のためのアイテムバンクを作成する。(2) アイテムバンクを有効活用するべく、多次元IRT のアルゴリズムを開発し、実装する。(3) 検定試験のためのシステムを開発し、その成果を、印刷物・Web や学会を通して公開する。 2.研究計画・方法:クリティカルシンキングの領域において、3尺度のIRT 用にスコア化を行い、アルゴリズム作成し、CAT に実装して、検定試験のシステムを開発する。 また、インストラクショナル・デザイン・モデルのADDIE モデルに沿って、このシステム開発を、4年間かけて進める。即ちAnalyze(分析)Design(設計)Develop(開発)Implement(実施)Evaluate(評価)の順に行う。開発段階における所見・成果及び最終段階での研究結果については、ニーズが高いので、印刷物・Web 等により公開し、さらに学会・研究会を通して広く知らせる。 3. 平成27 年度の研究計画:先行尺度・既存試験を分析し、検定試験のシステムを設計を行った。(1) 分析:文献調査・Web 検索を通してクリティカルシンキングの尺度、既存試験に関する情報を収集し、分析した。(2) 設計:近年、IRT によって複数の異なるテストでも同一尺度上で評価できるCAT が注目されている。本研究においては、多尺度のIRT による試験のシステム設計を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
なぜなら、当初計画どおり、進んでいるからである。平成27 年度の研究計画は、先行尺度・既存試験を分析し、検定試験のシステムを設計ことであった。 (1) 分析:文献調査・Web 検索を通してクリティカルシンキングの尺度、既存試験に関する情報を収集し、分析を行った。 (2) 設計:本クリティカルシンキングにおいて項目反応理論による適応型テスト を可能にするべく項目反応理論による試験のシステムの設計を行った。つまり、多尺度(①分析的思考力、②論理・推論能力、③読解・理解能力)の試験を行い、スコア化及びシステムに関わる具体的な設計を行った。 さらに、システム設計のために、申請者の文献(若山 2013)の設問などを参考にして、クリティカルシンキング尺度作成のための作問を行った。評価軸は、以下の3尺度 ①分析的思考力: 数的処理、(数的判断、資料解釈) ②論理・推論能力: 命題・条件から結論を導く問題 ③読解・理解能力: 状況から結論を的確に導く問題 ⇒ これら3尺度で 5セット x 50人分の試験を終了した。また、 データセット(試験結果)の作成し、このデータセットの分析を開始した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在進行中のデータの分析を進める。さらに、尺度の妥当性、信頼性を検証する。また、スコア化によって、アイテムバンクを作成する。そのうえでアイテムバンクから最適な問題項目を瞬時に選択できるアルゴリズムを開発する。 おおむね研究計画どおりに進んでいるので、これに沿って、研究費を使用する。
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Causes of Carryover |
次年度繰越分は、尺度の妥当性・信頼性を検証するためのデータ収集に若干の費用がかかるので、それに充てる
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度繰越分は、今後、尺度の妥当性・信頼性を検証する必要があるため、そのデータ収集に若干の費用がかかるので、それに充てる。 当初計画分については、計画どおりに遂行する。
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