2017 Fiscal Year Research-status Report
ユビキタス映像記録視聴システムを活用した初任者教師の授業実践能力育成支援
Project/Area Number |
15K01098
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
平山 勉 名城大学, 教職センター, 准教授 (50250866)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 英人 名城大学, 教職センター, 准教授 (30387766)
後藤 明史 名古屋大学, 情報基盤センター, 准教授 (50225645)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 授業研究 / ネットワーク / 教師教育 / 授業実践能力 / アイトラッキングカメラ / 教師視線 / 一人称映像 / 注視点 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、教職課程履修生及び初任者教師の授業実践能力を育成支援することを目標とし、そのために教師の注視点を付与できるように「ユビキタス映像記録視聴システム」を改良し、有効活用を目指している。 平成29年度は、平成28年度までの研究を発展させて、配信用の模範授業記録として、期間中に、研究協力校の小学校の授業を8件(うち1件は教職課程履修生による授業)、中学校の授業を2件、大学の講義(教育実習の事前指導)の教職課程履修生による模擬授業14件の収録を行った。 記録方法として改善点としては、スマートフォンの動画撮影機能とジンバル(回転台)の被写体の自動追尾機能を利用して、教師を自動追尾の対象として設定し、移動の自動追尾撮影を行ったところ、一定の条件の下では有用であることが確認できた。 収録した模範授業は、本システムを学生時代から経験している田中真人教諭(小学校、4年目)、石原奈々代教諭(中学校・理科、2年目)に加え、熟練教諭の小学校道徳等、積み上げることができた。 収録してきた記録の分析に関しては、特に、同一初任者教師による、同一学年、教科、単元、学習指導案による、指導教員等によるアドバイス前後の2つの授業において、注視点の比較・検討を行った。2つの授業中における10分間程度の同一の場面において、説明、発問、指名などの教授行動の表出順序には差が見られないが、注視継続時間は、アドバイス前の授業よりもアドバイス後の授業のほうが、1回の注視時間が長くなる傾向が確認できた。同一内容である2回目の授業であることや、指導教員等のアドバイスを受けて、改善点を意識して授業に臨んだことが、子どもとのコミュニケーションの1つの形である注視の継続につながっている可能性を提示している。 研究成果の一部は、国内外の学会及び公開研究会、セミナー等で公開した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
教師視点を記録できる「教師注視点記録システム」を組み込んだ、マルチアングル映像記録を、学生時代から本システムを経験している複数の教諭の授業を継続的に記録できている。さらには、熟練教師の道徳の授業の収録の積み上げもできており、教育実習に送り出す事前指導に試験的に適用できている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度以降も、システムの改善、授業の収録、それらの分析及びセミナー等での研究成果の公開を実施していく。授業の収録については、学生時代に本システムを経験した教諭の授業を継続的に収録して、教師としての成長の観点からも分析を試みる。教科としては、道徳の授業を重点目標として積み上げていきたい。成果を学会発表、論文等で報告していきたい。
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Causes of Carryover |
成果報告を行った学会発表のうち1件は、国内で開催されたため旅費が予定額を下回った。公開研究会、フォーラムの開催にあたって、若干、謝金の予定額以下で実施できた。
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